長野日大 上村の完封で8強入り

[ 2008年3月29日 13:39 ]

<長野日大―北大津>4安打完封した長野日大の上村

 第80回選抜高校野球大会第8日は29日、甲子園球場で3回戦を行い、第2試合は初出場の長野日大(長野)が北大津(滋賀)を2-0で下し、ベスト8に進出した。

 長野日大は3回にスクイズで1点を先制、9回にも1死満塁から遊ゴロの間に1点を加え、投げてはエース上村が要所を締めて4安打完封と好投した。
 東北、横浜と強豪校を破ってきた北大津は、河合が6安打2失点で完投。エースは踏ん張ったが、好機に1本が出なかった。

 ≪完封で立ちはだかった上村≫長野日大の大黒柱、上村が大きく立ちはだかった。強豪の東北、横浜を破って勢いに乗る北大津を、4安打に封じ込む力投で、チームを8強に押し上げた。「みんなで挙げた勝利。今日は100点です」。エースはさわやかな笑顔に充実感をにじませた。
 前日練習でワインドアップがしっくりいかず、自身の判断で無走者でもセットポジションで投球した。腕の振りに力強さが戻り、狙った球が低めに集まった。積極的に振ってくる相手の打ち気を逆手に取り、外角球をうまく使った配球でフライは10個、凡打の山を築いた。女房役の石川は「今日は構えたところに来た。リードのしがいがあった」と右腕をたたえた。
 9回に追加点をもらうまでは、3回に茅野のスクイズで挙げた1点だけ。重圧を背負った投球だったがバックも体を張って死守した。1―0の7回の守り。2死三塁で、相手の放った低く鋭いライナーが三遊間へ。迷うことなく飛び付いた三塁手・伊藤のグラブに打球は吸い込まれ、この日最大の危機を脱した。上村は「やばいと思った」というが、マウンド上ですぐに表情は崩れた。
 長野県勢の8強入りは、準優勝した1991年の松商学園以来。率いていたのは中原監督だった。その後苦しい時期を経て、初出場のチームを導いた監督は「結果的にそうなったが、夢のよう」と目を潤ませた。

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2008年3月29日のニュース