【光る君へ 大河絵(光る君絵)】第16話 簾を撥げた先には―― 真っ白な雪が照らす栄華の戯れ

[ 2024年4月28日 17:01 ]

イラストレーターの石井道子氏が描いたNHK大河ドラマ「光る君へ」大河絵第16話 簾を撥げた先には―― 真っ白な雪が照らす栄華の戯れ
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 女優の吉高由里子(35)が主演を務めるNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8・00)は28日、第17話が放送される。前回も見どころ満載。疫病に苦しむまひろと再会した道長、朝帰りの道長に女の勘を働かせる名探偵・倫子、そして「香炉峰の雪」――。

 <※以下、ネタバレ有>

 先週の第16話は「華の影」。近江・石山寺からの帰路。まひろ(吉高由里子)は図らずも、さわ(野村麻純)を傷つけていることを知り、落胆。後宮に藤原伊周(三浦翔平)や藤原隆家(竜星涼)らが集って賑わう中、藤原詮子(吉田羊)が現れ、一条天皇(塩野瑛久)らに緊張が走る。その頃、都は疫病が蔓延。ある日、たね(竹澤咲子)がまひろを訪ね、悲田院に行った父母が戻らないと助けを求める。悲田院に向かった目にしたのは…という展開だった。

 疫病が蔓延する中、宮中では――。

 年が明けた正暦5年(994年)、雪の積もった内裏・登華殿。藤原定子(高畑充希)は何をして遊ぼうかと思案し「少納言、香炉峰の雪はいかがであろうか」と問い掛け。ききょう(ファーストサマーウイカ)はハッと何かに気づくと「御簾を」と女房たちに指示し、自らも御簾を巻き上げる。「どうぞ、お近くで」。雪化粧した庭が眼前に広がった。

 伊周「流石、中宮様。見事な問い掛けでした」。隆家「何のこと?」。藤原公任(町田啓太)「白楽天の詩でございますな。『香炉峰の雪は簾(すだれ)を撥(かか)げて看る』」。定子「少納言、見事であった」。ききょう「中宮様のお問い掛けにお応えでき、ホッといたしました。いつもこのように参るかどうか分かりませぬが」。定子「そうだわ、お上。今日は雪遊びにいたしません?」

 真っ白で美しい雪景色に粋なやりとりによる笑い声がはじけ、各々が雪の山を作るなど、愉快な一時を過ごした。

 まさに、藤原道隆(井浦新)一家の栄華の頂点。伊周と隆家の性格の違いも浮かび上がる“伝説の香炉峰の雪”を石井さんが描く。

 ◆香炉峰の雪とは 現在の江西省九江市に左遷された唐の詩人・白居易(白楽天)が自然に囲まれた暮らし、名勝・廬山を詠んだ一節「香炉峰の雪は簾を撥げて看る」のこと。清少納言の「枕草子」の第二八〇段(第二九九段とも)「雪のいと高う降りたるを」には「香炉峰の雪」をめぐる定子とのやり取りがある。

 ◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画を手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2023 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2023 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。スポニチアネックスでの大河絵連載は「鎌倉殿の13人」(2022年)、「どうする家康」(2023年)に続き3年目。

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