気の早い妄想…東京五輪最終点火者は?北島氏、中田氏 大穴はこの人…
6月3日に74年の生涯を閉じたムハマド・アリ氏を、一度だけ生で見たことがある。1996年7月、米国アトランタで行われた夏季五輪開会式。そう、聖火を点火した、あの有名なシーン。小刻みに震える両手を制御しながらトーチをかざす姿は五輪史に残る名場面だった。とはいってもプレスボックスから聖火台まで100メートルほどの距離があり、確認したのは手元のモニターだったけど。
というわけで、かなり気の早い妄想をしてみた。2020年東京大会で聖火をともす人物は、いったい誰になるんだろう。決めるのは組織委員会。アリ氏のように世界的な知名度を誇り、なおかつオリンピアンで、金メダリストならさらによし、という条件を満たす日本人となると、候補者はかなり絞られる。
例えば夏季五輪で4個の金メダルを保持している競泳の北島康介氏(33)。日本での認知度は抜群だし、五輪開催時でもまだ37歳の若さだから、きっとエネルギッシュな演出で、平泳ぎしながら点火するかもしれない。たぶん史上初だろう。もっとも、水泳業界以外で「キタジマ」の名が世界的に知られているかとなると、少々疑問は残るが。
その点、国際的な知名度を重視するなら、サッカー元日本代表の中田英寿氏(39)の名が思い浮かぶ。2000年シドニー大会に出場し、8強入り。イタリアのペルージャやローマで大活躍し、ローマ時代はリーグ優勝に貢献した主力選手なので、アジアばかりでなくヨーロッパでも有名だ。ご存じの通り、五輪の世界では欧州文化のにおいがプンプン漂っている。国際オリンピック委員会(IOC)だってサッカーのセレブならメダリストではなくても納得するだろう。点火方法は、もちろんキラーパスで。
大穴としてイチロー(42)はどうだ。オリンピアンでないのは痛いが、東京五輪で野球が正式種目に採用される場合は希望がある。もしメジャーリーグ側が所属選手の五輪出場を認め、イチローが日本代表の一員として帰国中ならば、最有力候補になるはずだ。IOC受けという見地ではインパクトに欠けそうだけど、よく考えれば46歳の現役大リーガー(のはず)が五輪に初参加する歴史的な大会(のはず)。当然、バット型のトーチで点火、しかない。
以上で妄想タイム終了。笑点の新司会者同様、誰が選ばれても議論百出、異論反論入り乱れること間違いなし。さて組織委はどんな決断を下すのだろう。
もしかして、エンブレムみたいに一般公募する、とか?(記者コラム・我満 晴朗)
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