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早川に市民栄誉賞 銅に地元が勤務先が母校が興奮

[ 2012年7月31日 06:00 ]

 アーチェリー女子団体のエース、早川漣が勤める長崎県立佐世保商業高校では“最後の一矢”に沸いた。ロシアとの3位決定戦で早川が最後に10点を射たことに、渡辺正校長(57)は「素晴らしい集中力だった。学校中が感動している」と興奮冷めやらぬ様子。「五輪の代表選手が身近にいること自体、めったにないこと。それがメダルまで持って帰ってきてくれるなんて」と声を上ずらせた。

 早川は昨年4月、同校の非常勤職員に。アーチェリー部で副顧問として部員10人を指導しており、部員から「漣(れん)さん」と名前で呼ばれ慕われている。試合中は何度も笑顔を浮かべていたが、顧問の佐渡彰一教諭(29)によると「大声で笑ったり、普段から笑顔でいることが多い」という。笑顔で部の雰囲気を明るくする一方、洋弓を握ると一変。「いきなり厳しい表情になる」(佐渡さん)といい、そのギャップでも親しまれている。

 地元も歓喜に沸き、佐世保市は8月中にも市民栄誉賞を授与したい意向を表明。朝長則男市長は定例会見で「早川選手の最後の10点が相手にプレッシャーを与えた。入賞できるかもしれないと思っていたが、まさか銅メダルとは。よく頑張ってくれた」と称えた。

 一方、ムードメーカーの蟹江美貴が勤務するミキハウスも何かしらの賞を授与する予定。「朝から社内で“凄かったな蟹江”と話題がもちきりでした。この調子で個人も頑張ってほしい」とさらなる快進撃に期待している。

 最年少の川中香織里が所属する近大洋弓部の山田秀明監督(61)は「高校を卒業して弓を置くつもりだったが、インターハイの決勝トーナメント1回戦で負けた悔しさから翻意して“強くなりたい”とうちの大学に来た。相当な負けず嫌い。練習量も他人に負けない」とエピソードを披露。同じ教え子の蟹江についても「いつもニコニコして天真爛漫(らんまん)。笑って歯ばかり見せて“しっかりせんかい”と思われるかもしれないが、あれはみんなを緊張させないようにする彼女なりの気遣い。あの笑顔がいい影響を与えた」と喜んでいる。

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2012年7月31日のニュース