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為末 五輪アウトなら即引退「今年で終わりにする」

[ 2012年6月3日 06:00 ]

愛知県選手権の予選会に出場し転倒した為末大はロンドン五輪を最後に現役引退する意向を表明した

 陸上男子400メートル障害の日本記録保持者の為末大(34=CHASKI)が2日、出場を目指すロンドン五輪を区切りに現役引退すると表明した。

 愛知選手権名古屋地区予選会後に「今年で終わりにするのは決めていた。五輪に行ったら五輪で、行けなかったら日本選手権で引退する」と話し、五輪出場権を得られなければ、代表選考を兼ねた日本選手権(8日開幕、大阪・長居陸上競技場)が最後のレースになることも明言した。自身のツイッターにも同様の決意を記した。

 為末は00年シドニー五輪から3大会連続で五輪に出場。世界選手権では2度銅メダルを獲得したが、08年北京五輪後は本来の走りができていない。3年ぶりに出場した昨年の日本選手権も50秒55の6位。「昨年の9月ごろから(引退を)考えていた」。五輪参加標準記録A(49秒50)をクリアしていないため五輪出場には日本選手権で好記録を出して優勝に匹敵する成績を残す必要がある。

 2週間前に発熱するなど体調を崩し、この日のレースも最後の10台目のハードルで転倒し56秒73に終わった。置かれた立場は苦しい。それでも「最後のレースをロンドンにしたい」と強い決意を持ち、49秒20を目標に設定。退路を断って4度目の五輪切符獲得に挑む。

 ◆為末 大(ためすえ・だい)1978年(昭53)5月3日生まれ、広島市出身の34歳。広島皆実高3年で400メートル障害を始め、法大進学後に同種目に専念。01年に日本選手権で初優勝し、7度優勝している。世界選手権では01年エドモントン大会、05年ヘルシンキ大会で銅メダルを獲得。五輪には00年シドニー、04年アテネ、08年北京と3大会連続出場中。01年に出した47秒89は日本記録。1メートル70、66キロ。

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2012年6月3日のニュース