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ホンダの「アコードU.S.ワゴン」デビュー。米国生まれの4代目ベース「アコードワゴン」が日本上陸【今日は何の日?4月4日】

[ 2024年4月4日 08:00 ]

米国で設計・開発・生産したアコードワゴンを日本で販売

1991(平成3)年4月4日、ホンダは米国で開発・生産された「アコードワゴン」を、日本で「アコードU.Sワゴン」として販売。4代目「アコード」をベースにした生まれも育ちも米国の現地生産車のアコードU.S.ワゴンは、日本で納車待ちとなる人気を獲得した。

U.S.ACCORD WAGON 2.2i
「アコードU.S.ワゴン」のフロントフェイス

日本メーカーとして初めて米国で現地生産を始めたアコード

アコードは、「シビック」よりワンクラス上のアッパーミドルとして1976年にデビュー。丸目4灯のヘッドライトに大きなテールゲートをもつ3ドアハッチバックボディに、CVCCの1.6L 直4 SOHCエンジンを搭載し、翌1977年には4ドアセダンも追加された。

U.S.ACCORD WAGON 2.2i
1976年発売の初代「アコード」

初めてのモデルチェンジで1981年に登場した2代目アコードは、海外展開を意識してひと回り大きく、エンジンも1.6L&1.8L直4 SOHCへとパワーアップ。この2代目アコードは、翌1982年に米国オハイオ州のメアリーズビル工場で米国での現地生産を開始。これが、記念すべき日本メーカー初の米国現地生産であり、日本メーカーの米国進出の大きな第一歩となったのだ。

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1981年にデビューした2代目「アコード」。日本メーカー初の米国生産モデルのベースとなった

2代目アコードは、米国で日本以上の人気を得て、その後1985年に登場した3代目アコードは、さらに大型化・上級化し、国内外で大きな成功を収めた。

4代目の人気挽回のために米国生産車アコードワゴンを輸入

4代目アコードは、日本のバブル景気全盛期1989年に登場。ワールドカーに相応しい先進性と爽快な走りを目指し、ボディサイズをさらに拡大して高級感をアピール。搭載エンジンは、1.8L&2.0L直4 SOHCのキャブ仕様とPGM(電子制御燃料噴射)仕様、さらにトップグレードには2.0L直4 DOHCを設定した。

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1989年にデビューした4代目「アコード」

ところが、当時はトヨタの「ソアラ」や「マークII」など高級スポーティセダンの“ハイソカー”ブーム全盛期だったため、4代目アコードはその波に上手く乗れず、販売は期待通りに伸びなかった。
そこで、ホンダはアコードシリーズのシェア拡大のため、1990年3月に米国生産の「アコードクーペ」、1991年のこの日、「アコードワゴン」を日本に投入することを計画したのだ。

日本に上陸したスタイリッシュなワゴンは日本でもヒット

アコードワゴンは、米国のR&Dノースアメリカ(HRA)が中心となり設計・開発し、ホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリング(HAM)が生産。セダンのプラットフォームをベースにしたが、長いボディの剛性を高めるために、専用設計された。

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1991年にデビューした米国生まれの「アコードU.S.ワゴン」

ワゴンらしい流れるようなフォルムと、大きな開口のテールゲート、また荷物の量に応じてシートを別々に倒せる6:4分割可倒式リアシートなど、ワゴンらしい使い勝手の良さが特徴。
パワートレインは、2.2L直4 SOHCエンジンと、キメ細かなシフトパターンが得られるS(スポーツ)モード付4速電子制御ATの組み合わせ。

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大きな開口のテールゲートを持った「アコードU.S.ワゴン」

アコードワゴンは、日本での車名を「アコードU.S.ワゴン」として、車両価格270万円で輸入車であることを積極的にアピール。ちなみに、当時の大卒初任給は19万円程度(現在は約23万円)だった。

アコードU.S.ワゴンは、アメリカ風のスタイリッシュなワゴンというイメージが出来上がり、日本ブランドの輸入車としては異例の納車待ちが出るほどのヒットになった。1989年に登場したスバルの「レガシィ・ツーリングワゴン」が人気を呼び、日本にステーションワゴンブームが起こっていたことも人気を加速した。

1970年代は、米国で燃費の良い日本車が爆発的にヒットし、米国市場を席巻。その結果、日米貿易摩擦を解消するために、米国現地生産や米国生産車の日本への輸入が行なわれた。アコードワゴンの他にも米国生産車が日本に投入されたが、そんな輸入車で成功したのは、アコードU.S.ワゴンだけだったようだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

【U.S.ACCORD WAGON 2.2i主要諸元】
車名・型式:ホンダオブアメリカ・E-CB9
全長×全幅×全高:4725×1725×1440mm
ホイールベース:2720mm
トレッド(前/後):1475/1480mm
最低地上高:160mm
車両重量:1430 kg
乗車定員:5名
エンジン:F22A 2.2L SOHC 16-VALVE+PGM-FI 水冷直列4気筒横置
総排気量:2156cc
内径×行程:85.0×95.0mm
圧縮比:8.8
燃料供給装置形式:電子燃料噴射式(ホンダPGM-FI)
燃料タンク容量:64L
最高出力:140ps/5600rpm
最大トルク:19.6kgm/4500rpm
燃料消費率 10モード走行:9.1km/L
最小回転半径:5.5m
トランスミッション:7ポジション4速電子制御オートマチック
ブレーキ:(前/後):油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式ディスク
サスペンション(前/後共):ダブルウイッシュボーン式
タイヤサイズ(前/後共):195/60R15 86H

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