角田裕毅の野望「ハミルトン超え」 来季F1参戦20歳のサムライが再びブーム起こす

[ 2020年12月22日 05:30 ]

F1マシンでテスト走行に臨む角田(ホンダ提供・共同) 
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 自動車のF1シリーズに来季、日本人ドライバーとして7年ぶりにフル参戦するアルファタウリ・ホンダの角田裕毅(20)が21日、オンライン会見に臨み、意気込みなどを語った。角田はF2参戦初年度だった今季、いきなり総合3位に入り、国際自動車連盟(FIA)の新人賞も受賞。過去の日本人ドライバーと比較しても屈指のスピード出世を遂げた20歳は、“ハミルトン超え”の大きな野望も口にした。

 あどけなさが残る表情とは裏腹に、角田の口からは自信みなぎる言葉が飛び出した。

 「中盤までは攻めるスタイルを貫く。もちろん優勝が目標だが、表彰台に立ち、チームのためにポイントを稼ぎたい」

 87年の中嶋悟から数えて、F1フル参戦の日本人は角田が節目の10人目。その中でも群を抜く20歳の若さでシートを勝ち取った男は、初年度から“アクセル全開”の姿勢を打ち出した。

 今月中旬まではアブダビで行われた若手ドライバーのテストに参加。車のセッティングやバランス、タイヤマネジメントなど、F2とは比べものにならないほど繊細で奥深いF1の世界を実体験した。15人中5番手のタイムを出したが、実はその周回では細かなミスもあったという。まだ発展途上なのも大きな魅力だ。

 過去の日本人ドライバーの最高順位は鈴木亜久里、佐藤琢磨、小林可夢偉の3位。総合成績では04年佐藤の8位が最高だが、角田の目線は大きく上を行く。「野望としてはハミルトンが達成した(総合優勝)7回を抜くことなので、35年までに達成したい」ときっぱり。ミヒャエル・シューマッハー、ルイス・ハミルトンが持つ歴代最多優勝記録超えを、堂々と宣言してみせた。

 テレビの地上波放送が途絶えて久しく、21年を最後にホンダが撤退するF1。角田は80~90年代のブームから四半世紀以上たった日本に、再びその魅力を伝える役割も担う。「攻める走り、見ていて迫力のある走りは自信がある。鈴鹿で目の前で体感してもらいたい」。凱旋舞台となる来年の日本GP決勝は10月10日。世界と日本のファンをとりこにする速さを見せつける。

 ◆角田 裕毅(つのだ・ゆうき)
 ☆生まれ 2000年(平12)5月11日生まれ、相模原市出身。
 ☆サイズ 1メートル60、53キロ。
 ☆経歴 4歳で初めてカートに乗る。ジュニアのシリーズで経験を積み、16年にF4にスポットで初参戦。17、18年はF4フル参戦。19年にレッドブル・ジュニアチームに加入すると、F3にフル参戦して総合3位。今季はF2で通算3勝を挙げて総合3位に入り、F1参戦に必要なスーパーライセンスを取得。
 ☆趣味 オンラインゲーム。アウトドアも好きで、オフにはウエークボードやゴルフも楽しむ。

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