エアバッグで車体覆った車 広島大のベンチャーが開発

[ 2011年10月15日 18:08 ]

 広島大発のベンチャー企業「ヒューマニクス」(広島市南区)は15日、エアバッグが入った柔らかい布で車体が覆われ、事故時の衝撃を吸収する電気自動車「iSAVE―SC1」を公開した。11月末から来年3月まで1台79万円でモニター車約100台を販売し、4月以降量産化する方針。

 同社が広島県内の中小企業と共同開発した。代表取締役の升島努教授(生体分析化学)は「車に洋服を着せたようなもの。世界中どこにもない車だ」と話している。

 試作車は前部一輪、後部二輪の三輪車で定員3人、最高時速50キロ。100ボルト電源を使用するため家庭でも充電できる。買い物や子どもの送迎などの利用を想定している。

 特徴は、ぶつかるとエアバッグの空気が抜けて衝撃を吸収する仕組み。車体の前後にエアバッグを装着し、全体をテント生地で覆った。通常はふっくらと膨らんでおり、運転者だけでなく歩行者も傷つけにくい。時速15キロ程度だとほとんど衝撃もないという。

 升島教授は「車の表面が鉄板でできているのが疑問だった。生物の研究をしていて、その表面は本来柔らかいものだというところから発想した」と話している。

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2011年10月15日のニュース