京大ベンチャーがEV量産 まずは高級スポーツカー

[ 2010年3月29日 06:00 ]

 京都大学発のベンチャー企業「ナノオプトニクス・エナジー」(京都市)は29日、電気自動車(EV)の開発・製造事業を始めると発表した。来年3月にも鳥取県米子市で工場を稼働し、EVを量産する。自動車メーカー以外の企業が、EVを量産するのは初めて。

 生産する車種や台数は今秋に決めるが、当初は1台1千万円程度の高級スポーツカーを生産する計画。2011年度から主にアジアの富裕層をターゲットに国内外で販売を始め、15年度に約1千億円の売り上げを目指すとしている。
 工場は今月末で閉鎖する日本たばこ産業(JT)の米子工場を取得し、改修後、EV用生産設備を導入する。5年間の設備投資は約230億円。
 EVはガソリンのかわりに電気を使い、モーターで走行する。電気を蓄えるため高価なリチウムイオン電池を大量に必要とするなど量産には課題もある一方、ガソリン車より構造が単純で部品数も大幅に少ないため、参入障壁は低いとされる。
 米子市内で記者会見したナノ社の藤原洋社長は、「EVならではの加速が楽しめる、高性能の車から生産する」と説明。EVの登場で、自動車業界は異業種からの参入が増えて産業構造が大きく転換するとの見方を示し、「日本で最初に名乗りを上げた企業として、転換の突破口を開きたい」と意気込みを話した。

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2010年3月29日のニュース