米の“暴走事故問題”で…トヨタ、ペダル交換へ

[ 2009年11月25日 18:16 ]

 米国で販売した車が暴走事故を起こしたとされるフロアマット問題への対応として、トヨタ自動車は25日、アクセルペダルやフロアマットを無償で改修したり交換したりすると発表した。ペダル改修の対象は米国の約426万台(11月15日現在)で、今後、増える可能性もある。トヨタとしては過去最大規模の改修になる。

 現状では、フロアマットにペダルが引っ掛かって戻らなくなり、車が暴走し続ける恐れがあると判断した。米当局は「リコール(無料の回収・修理)」としているが、トヨタはペダルの形について「欠陥ではない」との立場で、事故を防ぐための自主的な措置と強調している。
 トヨタ車のイメージ悪化を避けるため無償の改修を決めたとみられる。
 対象車種は米国で販売した「レクサスES」「プリウス」「カムリ」など。日本向けの車は対象外。数百億円規模の負担となるが、リコールなどに備えて約5000億円の引当金を積んでおり、業績への影響はないという。
 ペダルは、マットに引っ掛からないような形状に変更。一部の車種では、アクセルとブレーキが同時に踏まれた場合に、自動的にアクセルが緩む機能も無償で追加する。暴走時の制御にも問題があるとの指摘があったが、同機能の採用で安全性を高めるという。
 この機能は、米国で今後販売するほぼ全車種に標準装備として搭載する方針。フロアマットはトヨタ純正の製品を使用している場合に交換する。
 来年明けからペダルを削る作業を開始、販売店での新たな交換部品の入手は同4月から可能としている。
 トヨタは今年9月下旬、マットに原因があるとして顧客に取り外しを呼び掛け始めた。ただ事態を重く見た米道路交通安全局は、トヨタに車両本体の改修を求めていた。
 米国では問題発覚のきっかけとなった死亡事故が繰り返し報じられ、トヨタへの風当たりが強まっている。

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2009年11月25日のニュース