可夢偉、快挙!日本人最高位タイの6位

[ 2009年11月2日 06:00 ]

F1アブダビ・グランプリで6位に入った小林可夢偉

 自動車F1シリーズ最終戦(第17戦)のアブダビ・グランプリ(GP)は1日、ヤス・マリーナ・サーキットで決勝を行い、12番手からスタートしたトヨタの小林可夢偉(23)が6位入賞を果たした。デビュー2戦目での6位入賞は、日本人では87年の中嶋悟氏(56)、08年の中嶋一貴(24)と並ぶ最高位となった。レッドブル・ルノーのセバスチャン・フェテル(22)が今季4勝目(通算5勝目)。同僚のマーク・ウェバー(33)が2位となり、レッドブルはワンツーフィニッシュ。ウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴は13位に終わった。

 小林が中東の地で快挙を成し遂げた。F1初のトワイライトレースで、87年の中嶋悟氏と08年の中嶋一貴と並ぶデビュー2戦目での6位入賞。今季からシーズン途中のテスト走行が禁止されたが、そのハンデをものともせず、開幕前からマシンにたっぷり乗り込んで結果を残した2人と肩を並べた。
 「スタートがうまくいき、ライコネンを抜いたのがキーポイントになった。ワンストップ作戦で最初からプッシュしてタイムを稼いだ」
 スタートに全神経を集中し、レッドシグナルが消えた瞬間に飛び出した。スタート直後に加速装置のKERS(運動エネルギー回生システム)を搭載した11番手のキミ・ライコネン(30=フェラーリ)を見事パス。快調なペースで順位を上げると、18周目には年間王者ジェンソン・バトン(29=ブラウンGPメルセデス)も抜き去り、一時は3番手を快走する場面もあった。新人離れした安定感で、同僚のトゥルーリの順位をも上回った。
 トヨタでは今季限りで契約が終了するヤルノ・トゥルーリ(35)とティモ・グロック(27)が他チームに移籍する。来季去就が未定の小林にとっては、6位入賞が正ドライバーの座獲得に向け大きなアピールとなったのは確かだ。「来年のシートは僕は決められないが、しっかり準備したい。こういう結果が出てよかった」。トヨタ自動車は、今月下旬に開催する取締役会で来季のF1に参戦するか撤退するかを決定する。小林は、まさに人事を尽くして天命を待つ。

 ◆小林 可夢偉(こばやし・かむい)1986年(昭61)9月13日、兵庫県生まれの23歳。96年に9歳でカートレースデビュー。01年フォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)のスカラシップを獲得。04年に単身渡欧し、06年F3ユーロシリーズに参戦して新人賞を獲得。08、09年GP2アジア、欧州シリーズに参戦する傍ら、F1トヨタチームのサードドライバーを務めた。09年ブラジルGPとアブダビGPで負傷のグロックに代わり参戦した。

続きを表示

2009年11月2日のニュース