武藤が史上最高の2位/インディ・カー
自動車のインディカー・シリーズ第8戦(全車ダラーラ・ホンダ)は22日、米アイオワ州ニュートンのアイオワ・スピードウエー(1周約1・4キロ)で250周の決勝を行い、今季から本格参戦している武藤英紀が日本人史上最高の2位に入った。
これまで日本勢の過去最高は2003年6月に高木虎之介が記録した3位。同シリーズは、タイヤが露出したオープンホイール型車の米国最高峰レースとして知られる。
武藤は、東京都出身の25歳で、昨季最終戦で同シリーズにデビューしていた。
優勝はダン・ウェルドン(英国)で、今季2勝目、通算15勝目。タイムは1時間38分35秒8923で、武藤は0・1430秒差だった。3位はマルコ・アンドレッティ(米国)。
≪勝負どころで急浮上≫日本人最高の成績にも、武藤は喜びを爆発することはなかった。3台での接近戦のままゴールラインを通過し、優勝したウェルドンとは0秒1430差。表彰台でシャンパンをかけられる栄誉にも「うれしいが、複雑な気持ちです」と控えめだった。
この日はスタートからタイヤのグリップ不足でずるずると下がり、一時は16位に後退。しかし、ピットインのたびにマシン設定を微調整してスピードを取り戻した。さらに終盤の勝負どころに備え、抑えた走りで燃費を向上させた。
狙い通り、残り60周で事故によりセーフティーカー導入。追い抜き禁止のスロー走行となる。上位陣が続々とピットに向かうのを横目に、武藤は燃費のいい走行を続けた。
これで10位から一気に2位に浮上した。前のウェルドンを攻め、後ろのアンドレッティから守り、難しいライン取りを強いられたが、乱気流の中、ポジションを維持した。
「年間を通しての目標はなく、一戦一戦で勝利を目指す。レースに出る以上、優勝が目標」と日ごろから話す武藤。その高い目標は本格参戦1年目で、早くも手の届くところに近づいた。(共同)
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