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ウシクが史上初ヘビー級4団体統一王者に フューリーからダウン奪い2階級で4団体王座統一

[ 2024年5月19日 06:13 ]

プロボクシング世界ヘビー級4団体王座統一戦 タイソン・フューリー<12回戦>オレクサンドル・ウシク ( 2024年5月18日    サウジアラビア・リヤド )

ウシク(左)がフューリーに左フックを決める(AP)
Photo By AP

 WBA&IBF&WBO統一世界ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(37=ウクライナ)がWBC同級王者タイソン・フューリー(35=英国)を破り、4団体統一王者となった。9回にダウンを奪い、2―1で判定勝ちした。00年代にWBO(世界ボクシング機構)が世界主要団体と認められて以降、ヘビー級での4団体王座統一は史上初めて。クルーザー級に続き2階級で4団体王座統一を達成した12年ロンドン五輪金メダリストのウシクはプロ22戦全勝(14KO)、フューリーはプロ初黒星で36戦34勝(24KO)1敗1分け。

 サウジアラビアリーグでプレーするサッカーのクリスティアーノ・ロナウド(アルナスル)もリングサイドで見守った世界注目の一戦。1階級下のクルーザー級から転向5年のウシクが、ヘビー級でもアンディスピューテッド・チャンピオン(他に比類なき王者)となった。立ち上がりからプレスをかけて攻め立て、3回以降は距離感をつかんでカウンターのボディーやアッパーを決めたフューリーのペースになったが、8回に左フックを決めて立て直すと、9回にはフックの連打でフラフラになったフューリーがコーナーにもたれるダウン。その後も攻める姿勢を失わず、ジャッジ3者の採点が115―112、114―113、113―114という接戦を制した。

 3団体統一世界ヘビー級王者となって半年後の22年3月、母国ウクライナをロシアが侵攻。ウシクも一時帰国して領土防衛隊に加わったが、負傷した兵士たちから「戦争よりもリングで戦ってくれ」と後押しされてボクシングに戻り、戦い続けてきた。4団体王座統一戦は主にフューリーが原因で2度延期されたものの、じっと待ち続け、2メートル6の巨漢対策として今回は自身最重量の101・3キロで前日計量をパスしていた。

 長い歴史を持つヘビー級では、世界主要3団体王座時代にマイク・タイソン(米国)が3つのベルトを統一。WBOが主要団体と認められていなかった99年にはレノックス・ルイス(英国)が3団体王座に加えてIBO(国際ボクシング機構)王座も獲得し「比類なき王者」とされた。その後はウラジミール・クリチコ(ウクライナ)やアンソニー・ジョシュア(英国)らが3団体統一王者となったが、全ての世界ベルトを保持するヘビー級王者は存在しなかった。

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