5・6尚弥戦へ ネリ挑発止まらず「弱点いくつかある」 父・真吾トレーナーは冷静「誰でも言う(笑い)」
プロボクシング4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦 井上尚弥《12回戦》ルイス・ネリ ( 2024年5月6日 東京ドーム )
プロボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)に挑戦するWBC世界同級1位ルイス・ネリ(29=メキシコ)が23日、都内のジムで公開練習を行った。
約70人の報道陣に囲まれながら、入念にバンデージを巻いて練習を開始したネリ。井上陣営の大橋会長、井上の父・真吾トレーナーらが見守る中、「マックス」状態の“悪童”がシャドーボクシングとミット打ちを1ラウンドずつ披露。ワンツーから左右のフック、アッパーと次々とパンチを繰り出す高速ミット打ちを披露するなど全開モード。仕上がりの良さを強調し「体調は100%。5カ月練習してきた」と自信満々に話した。
公開練習前の会見では21日の来日時同様、井上への挑発を繰り返した。「井上は過大評価されている。(12月に対戦した)タパレス(フィリピン)と11回まで戦ったことは過大評価につながる。良い選手と思うが、バスケットボールでいうマイケル・ジョーダンのような選手ではない」と言い放った。
さらには「井上は無敗の王者だが、私にも自らの手がある。必ず勝利をつかみ取る。弱点はいくつか見つけている」とにやりと笑った。
18年3月の元世界王者・山中慎介との再戦で体重超過したが、今回は、WBCによる試合15日前規定を下回る127ポンド(57.6キロ)だといい「前回(発表会見で来日した3月)は寒かったが、今回は暖かいので体重を落とすのに役立っている」と報告。ドーピング検査もこれまで3度検査し全て陰性。前科のある“悪童”だが、万全の仕上がりを見せている。
ネリの挑発にも真吾トレーナーは冷静だった。「パワフルさは感じたが、キレはそう感じなかった」と一蹴。井上の弱点を指摘されたことについても「誰でも言う。今までの選手も尚弥に何もできなかった。だからそこは自分の中で気にならない」と余裕の対応だ。
現在3戦連続KO中のネリは「パウンド・フォー・パウンド(全階級を通じての最強ランキング)ナンバーワンを決めるような試合をして4団体統一を成し遂げたい。(観客は)人生の中で見たことがない試合を目撃する。流血を見るだろう。とても厳しい試合になると思うが、全てを出してリング上で死ぬ覚悟で戦う」と宣言。
34年ぶりの東京ドームボクシング興行。前回はタイソンが初黒星を喫し、勝者ダグラスが「世紀の番狂わせ」を起こした会場での番狂わせの自信を問われると「それはみなさんが目撃するでしょう」と不敵に笑い、上機嫌で練習場を後にした。
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