高山勝成 40歳復帰戦を飾る 6回にダウンを喫するも3―0判定 日本唯一の元4団体制覇世界王者
プロボクシング元世界ミニマム級主要4団体王者の高山勝成(40=石田)が11日、京都市内で2年ぶりの復帰戦を飾った。8回戦でフィリピンの国内ライトフライ級3位ジョエル・リノ(28)に1点差1人、3点差2人の3―0判定。「14歳からボクシングを始めてボクシングが大好き。4団体のチャンピオンベルトを獲得できたが、まだ満たされていません」と試合後、リング上から40歳での異例の復帰をアピールした。
6回、立て続けに相手右ストレートを浴び、腰からロープへ落ちてダウンを喫した。一昨年5月、米国で臨んだWBO世界ライトフライ級タイトルマッチで、王者のエルウィン・ソト(メキシコ)に9回TKO負けして以来のリング。試合直前に右ヒジを痛め、消化できたスパーリングが20~30回に止まった試合勘の欠如はぬぐえなかった。
左中心に組み立てるプランで臨み、その手数が評価されての辛勝。「2年ぶりに8回戦を戦えたのは収穫。ダウンしたときのイメージも作っていかないと」と前向きに振り返り、「右を使えなかった分、左でしっかりたたくことができた。今回の課題を次に生かしたい」とベテランらしく冷静に分析した。
ライトフライ級との2階級制覇を当面の目標に掲げる。陣営では9月に復帰2戦目、年末に世界ランカーとの対戦と青写真を描いている。
14年に30歳で愛知県の菊華高へ入学した高山は、一昨年春に名古屋産大を卒業し昨年、教育実習を終えて今春に教員免許を取得した。昨年はボクサーライセンスを更新せず、教員免許取得に専念。それを果たしたことで今度はボクシングでの心残りを解消する構え。「(試合の)出来があまりに悪ければ引退しないといけないと思った。合格点は難しいが、復帰戦でこの内容なら。教育現場ではダメですが“やられたらやりかえす”ことができた」と本格復帰を期すリングへ視線を送った。
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