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井上尚弥 5.7横浜で「日本史上最大のビッグマッチ」 WBC&WBO統一王者・フルトンに挑戦

[ 2023年3月7日 04:35 ]

WBC&WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ   統一王者スティーブン・フルトン―WBC1位WBO1位井上尚弥 ( 2023年5月7日    横浜アリーナ )

WBC・WBOスーパーバンタム級王者・フルトンの写真を背にファイティングポーズする井上尚弥(撮影・沢田 明徳)
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 プロボクシング前4団体統一世界バンタム級王者の井上尚弥(29=大橋)が6日に都内で会見し、5月7日に横浜アリーナでWBC&WBO統一世界スーパーバンタム級王者スティーブン・フルトン(28=米国)へ挑戦すると正式発表した。勝てば井岡一翔(33=志成)に次いで日本男子2人目の4階級制覇となる。交渉に携わり、対戦を実現させた帝拳ジムの本田明彦会長(75)は日本史上最大のビッグマッチと指摘した。

 都内高級ホテルで開かれた会見に、井上はストライプのスーツで登場。落ち着き払った表情で「階級を上げていきなりビッグマッチができるのは凄くモチベーションが上がる」と抱負を語った。スーパーバンタム級初戦で統一王者フルトンへの挑戦が実現。「今でもスーパーバンタム級の体はつくれているので強い選手とやりたいと希望した。(1階級上の)フェザー級なら別だが、テストマッチはいらないと判断した」と説明した。

 世界的プロモーターの本田会長が交渉を始めたのは井上がバンタム級4団体王座を統一した翌日、昨年12月14日だったという。スーパーバンタム級の統一王者2人のうちWBA&IBF王者アフマダリエフ(ウズベキスタン)は4月にIBFの指名試合、フルトンは2月24日にフィゲロア(米国)とのWBCフェザー級暫定王座決定戦を予定。だが、フルトンは契約書にサインしていないことが判明したため交渉を本格化させた。

 最終的にフルトン本人が陣営全員の反対を押し切ってリスクのある井上戦を熱望した。その理由は井上が世界4階級制覇王者カネロ(サウル・アルバレス=メキシコ)と並ぶ世界的なスーパースターで注目度が高いからだという。ファイトマネーの最低保証額は合計800万ドル(約10億円)と報じられており、総額20億円とされる昨年4月のミドル級王座統一戦ゴロフキン(カザフスタン)―村田諒太(帝拳)には及ばない。だが、本田会長は「試合の興味や期待など全ての要素を入れれば日本史上最大のイベントになる」と言い切った。絶頂期の米国人統一王者とスーパースター井上の無敗対決に米国での注目度は桁違いで「(日本人の試合が)海外でこれだけ話題になるのは珍しい」。ESPN+が全米に生配信するほか、視聴しやすい日曜日とあり「欧州でも間違いなく放送される」と断言した。

 井上は会見後、招へいしたメキシコ人選手2人とのスパーリングを開始した。「フルトンとの試合を日本でできることはどれだけ凄いことか。結果で返していきたい。5月7日を楽しみにしていてください」と腕を撫した。 

 ≪新サービス「Lemino」で独占無料生配信≫試合は4月12日にスタートするNTTドコモの映像配信メディア「Lemino」で独占無料生配信される。月額定額制だった前身のdTVとは異なり基本無料で、月額990円の「Leminoプレミアム」会員になればさらに豊富なコンテンツを楽しめるという。同社の前田義晃副社長は「井上選手の新しいチャレンジと同じタイミングでサービスを開始できるのはラッキーと思う。知っていただく良い機会になる」と新サービスの目玉として期待を寄せた。

 ≪勝てば日本最速4階級制覇≫井上がフルトンに勝てばプロ25戦目での世界4階級制覇。井岡の26戦を更新する日本最速記録となる。4階級制覇(5、6階級含む)は世界で過去22人いるが、スーパーフェザー級からウエルター級までを制したオスカー・デラホーヤ(米国)が24戦で達成しており、井上には歴代2位の可能性がある。

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2023年3月7日のニュース