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元世界ヘビー級王者ワイルダー 戦慄のワンパンチKOで再起成功「ヘビー級に興奮が戻ってきた」

[ 2022年10月16日 14:48 ]

デオンテイ・ワイルダー(AP)
Photo By AP

 プロボクシング前WBC世界ヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(米国)が戦慄(せんりつ)のワンパンチKOで再起を果たした。15日に米ニューヨークで行われたWBC挑戦者決定戦12回戦でWBA同級2位ロバート・ヘレニウス(フィンランド)と対戦。1回終盤、コーナーに追い込まれた場面でカウンターの右フックを顔面に合わせると、ヘレニウスは仰向けにダウン。白目をむいて動かなかったためレフェリーが試合をストップした。TKOタイムは1回2分57秒だった。

 ワイルダーは昨年10月、WBC世界ヘビー級王者タイソン・フューリー(英国)との3度目の対決で11回KO負け。右手を骨折し、手術を受けていた。約1年ぶりの再起戦となった今回はフューリー戦の体重107・9キロから10キロ以上軽い97・3キロで臨んでいた。試合後のリングインタビューでは「デオンテイ・ワイルダーが帰ってきた。ヘビー級に興奮が戻ってきた」と高らかに宣言し、標的として3団体統一世界ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)や元3団体統一王者アンディ・ルイス(米国)の名を挙げた。

 アンダーカードのWBC世界スーパーミドル級挑戦者決定戦では、前IBF王者ケイレブ・プラント(米国)が元WBC王者アンソニー・ディレル(同)に9回2分57秒TKO勝ち。左ボディーから左フックを顎に打ち込んで倒し、レフェリーが即ストップした。プラントは倒れたディレルを埋葬するかのようにシャベルで土をかけるパフォーマンスを見せており、批判は免れないとみられる。プラントは昨年11月、サウル・“カネロ”・アルバレス(メキシコ)との4団体王座統一戦に11回KO負けしていた。

 また、IBF世界バンタム級挑戦者決定戦では前同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)が同級4位ゲーリー・アントニオ・ラッセル(米国)に10回2秒負傷判定勝ちした。昨年8月、開始16秒でロドリゲスがバッティングにより負傷し、ノーコンテストとなった試合の再戦は、8回終了間際に右でダウンを奪うなど終始ロドリゲスのペース。9回にまたもロドリゲスがバッティングを受けて負傷し、続行不可能として10回開始直後に試合終了が宣言された。ロドリゲスは19年5月、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級準決勝で現3団体統一同級王者・井上尚弥(大橋)に2回TKO負けし、IBF王座を失っていた。

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2022年10月16日のニュース