王者フルトン 井上尚弥を語る「パワーは素晴らしい 才能ある選手であることは間違いない」
プロボクシングWBC&WBO統一世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(28=米国)が本紙取材に応じ、WBAスーパー&IBF統一同級王者ムロジョン・アフマダリエフ(27=ウズベキスタン)との4団体統一戦へ意欲を示すとともに、バンタム級3団体統一王者・井上尚弥(29=大橋)との対戦にも前向きな姿勢を示した。7月30日にニューヨークで行われた興行でゲスト解説を務め、インタビューに応じた。(杉浦大介通信員)
――あなたが希望するMJ・アフマダリエフとの統一戦はどうなりそうですか?
フルトン「年内には実現しそうだよ。MJが負傷した拳の状態次第で、来年初めになるかもしれない。もうしばらくは様子を見なければならない。楽しみにしているよ」
――あなたはShowtime、アフマダリエフはDAZNという放送局の違いが実現への障害だと見られていますが、その点は問題にならないでしょうか?
「はっきりとは分からないけど、大丈夫だと思う」
――前戦のダニエル・ローマン(米国)戦をどう振り返りますか?
「いい試合ができたと思う。KOしたかったけどね。大差で勝てた(フルマーク2人の3―0判定)から、自己採点するならB+かな」
――戦前、激しい試合になるという予想が多かった中で、あれほど一方的に勝てたことに自身でも驚きましたか?
「いや、まったく驚きはしなかったよ。自分に何ができるか、どんな試合になるかは分かっていた。前戦のブランドン・フィゲロア(米国)戦はラフで、激しい試合にしてしまった。今回はよりはっきりした内容にしようと思っていて、それをやり遂げたというだけだ」
――日本のボクシングファンの期待感は高まっていますが…。
「(質問をさえぎるように)井上戦だろ?(笑い)」
――そのとおりです。井上VSノニト・ドネア(フィリピン)の再戦は見ましたか?見たのであれば感想は?
「ああ、試合は見たよ。井上は本当に優れたボクサーだから、試合を見るのはいつでも楽しい。彼のパワーは素晴らしいね。彼のパワーが階級をスーパーバンタム級まで上げてきたときに同じような効果をあげるかどうかはまだ分からない。ただ、才能ある選手であることは間違いない」
――井上とドネアの第1戦は大激戦になりましたが、リマッチは2回で決着がついた原因をどう見ますか?
「(早期決着には)少し驚かされた。今回の再戦では井上が必要なアジャストメントを施したということだ。第1戦を振り返り、何をやらなければいけないかを見極めたのだろう。優れたボクサーというのはそれができるものなんだ」
――こうして並んで立っても、あなたは体に厚みがあります。スーパーバンタム級ではあとどのくらい戦うつもりでしょうか?
「それに関してはまだ分からない。それほど長くはないだろうな。MJとの試合がどうなるのか、井上がいつ頃上がってくるかによると思う」
――あなたは米国内でも知名度を上げていますが、井上戦が実現するとして、米国、日本でのどちらでの挙行を希望しますか?
「どちらでも構わないよ。おそらく日本でやった方が大きなイベントになるのだろうから、日本でもいい。大金が稼げたらうれしいからね(笑い)」
――現時点でのキャリアの目標は?
「スーパーバンタム級の4団体統一だ。その後、フェザー級でも同じことをやり遂げたいね」
――最後になりますが、今日(7月30日)の興行のアンダーカードでゲスト解説を務めた感想は?
「楽しかったよ。いい経験になった。コメンテーターを務めるのは初めてだったんだけど、素晴らしかった。またやりたいね。将来は俳優になりたいんだけど、コメンテーターも楽しいね(笑い)」
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