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田中恒成「KOしか狙わない。できるだけ早く、できるだけ完璧に」 6・29にWBOAP王者・橋詰と対戦

[ 2022年5月12日 15:12 ]

リモート会見に臨んだ田中恒成(左)と畑中清詞会長(畑中ジム提供)
Photo By 提供写真

 プロボクシング元世界3階級制覇王者で、6月下旬に再起2戦目に臨む田中恒成(26=畑中)が12日、所属ジムからオンライン取材に応じ「KOしか狙わない。できるだけ早く、できるだけ完璧に」と強烈なインパクトを与え、世界戦線に再浮上することを誓った。

 6月29日に東京・後楽園ホールでWBOアジアパシフィック(AP)スーパーフライ級王者の橋詰将義(28=角海老宝石)に挑戦する。世界以外のタイトルがかかる試合はデビュー4戦目、2014年10月に10回TKOで王者・原隆二(大橋)を破った東洋太平洋ミニマム級タイトルマッチ以来となる。王者・橋詰の印象について「正統派のサウスポー。20戦ぐらいやって負けていないのはやっぱり魅力」と敬意を示した。その一方で「アジアのタイトルはかかるが、このリングに自分はふさわしくない。早く世界戦のリングに戻りたい」と通過点という認識を強調した。

 20年大みそかにWBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(現・志成)に8回TKO負けして4階級制覇に失敗。昨年12月に52・5キロ契約10回戦で石田匠(井岡)を下して再起した。今年は3月から約2カ月間、米ラスベガスで合宿。数多くの世界王者とコンビを組んできたトレーナーのイスマエル・サラス氏に自ら望んで師事した。「サラストレーナーのボクシングというものがある。(同氏が)みんなに教えているものに自分も取り組んだ。攻撃重視とか守備重視とかではなく、スピードなど自分の良さを生かすもの」と説明。同氏は井岡一翔ともコンビを組んでおり、将来の再戦に何らかの影響を与える可能性がある。「その点は自分も考えた。でも自分が強くなるためだけに行ったので。今後どうなるかは考えていない」。ボクサーとしての進化を最優先させた。また、同氏のジムには米国内だけでなくメキシコをはじめ世界各国から世界ランカーなどが集まり「刺激を受けた」という。「サラスから言われたことをやって、自分のモチベーションも上がったことで動きが良くなった」と手応えをつかんで帰国した。会見に同席した畑中清詞会長は「肝が据わって無事に帰国したので、やってくれると思う」と快勝を期待した。

 田中は最終目標をスーパーフライ級のWBAスーパー、WBCフランチャイズ王者フアンフランシスコ・エストラーダ(メキシコ)に置いている。「僕自身、今は(対戦を希望する相手は)いない。最終的にエストラーダにたどり着きたい。そのために早く世界戦にたどり着き、勝つというのを目指している」。エストラーダへの“挑戦権”を得るために一日も早い世界王座返り咲きを欲している。

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2022年5月12日のニュース