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井上拓真、完勝で東洋太平洋2階級制覇「負けられない気持ち強かった」

[ 2021年1月14日 20:51 ]

6R、栗原(左)に右ストレートを見舞う井上拓真(撮影・島崎忠彦)
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 プロボクシング東洋太平洋バンタム級タイトルマッチ12回戦は14日、東京・後楽園ホール)で行われ、挑戦者で元WBC世界同級暫定王者の井上拓真(25=大橋)が王者・栗原慶太(28=一力)に9回2分25秒、負傷判定勝ちし、新王者となった。井上拓はプロ5戦目で獲得したスーパーフライ級に続き、東洋太平洋タイトルの2階級制覇となった。

 井上拓にとっては19年11月の正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)との王座統一戦以来、1年2カ月ぶりの再起戦。立ち上がりこそ硬さも見えたが、15勝(13KO)5敗とKO率の高い栗原を相手にフットワークを使いながら徐々に主導権を握った。鋭い踏み込みの左フック、カウンターの右ストレートがクリーンヒット。1回に偶然のバッティングで左目上をカットした栗原の出血が9回途中に激しくなり、レフェリーが試合をストップ。ジャッジ3者の採点は90―81が1人、89―82が2人という完勝だった。

 「自分のボクシングを貫くことがテーマだった。それが少しは出せたので良かった。(ウバーリとの)王座統一戦で負けて悔しい思いをしたし、もう負けたくなかった。また世界に向けて負けられない気持ちも強かったですね」

 この期間は自分磨きに時間を費やした。フィジカル、技術、メンタル…すべての部分のレベルアップを目指した。同時に相手に合わせるのではなく、自分のボクシングを徹底することを意識。この日の試合では倒しきるところまではいかなかったものの、父の真吾トレーナーも「成長はみられた。良かったと思うよ」と合格点をつける内容だった。

 WBA&IBF世界バンタム級統一王者の兄・井上尚弥(27)の背中を追い続けてきた2歳下の弟は「ナオだけ世界チャンピオンじゃあ、お父さんも納得しないと思うので、しっかり結果を出していかないと」と世界王者返り咲きを誓った。

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