無観客でWタイトル戦開催する理由 大橋会長「ボクシングの灯を消さないための第1歩」

[ 2020年7月6日 08:00 ]

大橋秀行会長
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 2月27日を最後に自粛が続いていたプロボクシング興行がようやく再開される。12日に愛知・刈谷市で行われる中日本新人王予選を皮切りに、16日には東京・後楽園ホールで東洋太平洋フェザー級と日本スーパーライト級のダブルタイトル戦、22日には日本スーパーフライ級タイトルマッチが、いずれも無観客で開催される。

 16日のダブルタイトル戦では、12年ロンドン五輪銅メダリストで東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(大橋)が同級14位の殿本恭平(勝輝)と5度目の防衛戦、WBA&IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥、元WBC世界同級暫定王者・拓真兄弟のいとこで日本スーパーライト級王者の井上浩樹(大橋)は同級1位・永田大士(三迫)と2度目の防衛戦に臨む。ともに後楽園ホールでメーンを張れる人気選手だけに注目を集めることは間違いない。ただ、無観客での開催は経営面では必ずしもプラスにはならない。あえて開催に踏み切る理由を大橋秀行会長は、こう説明した。

 「他のスポーツも始まっているわけだし、一発目にタイトルマッチをやって、“ボクシングもやってるぞ”というのを見せていかないと。これは大橋ジムというより、ボクシング界全体のため。ボクシングの灯を消さないためにも、まずは第1歩を踏み出さなくちゃいけないから」

 新型コロナウイルス感染拡大で全国のボクシングジムは大きな打撃を受けた。興行自粛に加え、自治体からの休業要請によって一般会員の休会や退会も続出。存続が厳しいジムもある。だからこそ、大橋会長はアピールする必要性を感じ、先陣を切ることを決断した。そして、大橋会長がボクシング再興の“切り札”と考えているのが井上尚の存在だ。

 「国内で興行を再開させたら、次は尚弥が海外で闘う勇姿を見せたい。全国の子供たちが尚弥に憧れてボクシングを始めたいと思うかもしれないし、尚弥がダーンとやってくれたら効果は大きいよ。日本全部のジムに人が集まるようになる」

 4月に米ラスベガスで予定されていたWBO王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦は延期となり、新たな日程はまだ決定していないが、大橋会長は「これは何としても成功させたい。今後のボクシング界の浮沈に関わる話だから」と力を込めた。

 海外へ日本人選手が行ける状況、海外から外国人選手を呼べる状況にならなければ、本当の意味での再開とは言えないかもしれないが、まずは国内での興行を成功させることが大事になる。ボクシングに関わる一人として微力ながらも協力していきたいと思っている。(記者コラム・大内 辰祐)

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