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世紀の黄金カード再現!? “57歳”ホリフィールドVS“53歳”タイソン

[ 2020年5月9日 05:30 ]

96年11月9日、タイソン(右)とホリフィールドがWBA世界ヘビー級タイトルで戦う
Photo By ゲッティ=共同

 タイソンVSホリフィールドのドリームマッチ第3戦が実現!?プロボクシング元世界ヘビー級統一王者イベンダー・ホリフィールド氏(57)が7日、新型コロナウイルス対策支援のエキシビションマッチに出場する意向を示した。同じく元統一王者で同氏と因縁があるマイク・タイソン氏(53)も慈善試合に向けて練習を再開しており、96年と97年に世界が熱狂した黄金カード再現に期待が高まっている。

 11年にリングを離れたホリフィールド氏はSNSで「準備はいいか?待望の瞬間だ。チャンプが帰ってくる」と“現役復帰”を告知。かつての宿敵で05年に引退したタイソン氏も2日にミット打ちの動画をSNSに投稿してエキシビションマッチ出場の意向を示していた。いずれも対戦相手など詳細は不明。ファンやメディアで“再戦”の可能性を指摘する声が上がり始めた。

 ともにリングで偉業を達成も、栄光に加えて多くの問題行動で世界を騒がせたのがタイソン氏。前年のリベンジを図ったホリフィールド氏との97年の再戦では相手の耳に噛(か)みついて反則負けを喫した。注目度は依然高く、ミット打ち動画披露後にはベアナックル(素手)で戦う競技団体から2000万ドル(約21億3000万円)の巨額オファーが届いた。ホリフィールド氏と3度目の対戦が実現すれば、3ラウンド程度の慈善試合でも大きな話題となることは間違いない。

 タイソン氏のトレーナーで元総合格闘家のラファエル・コルデイロ氏は「21、22歳の選手と同じスピード、パワーがある」と指摘。ホリフィールド氏とともに目が離せない。

 ▽タイソン―ホリフィールド第1戦(1996年11月9日、WBA世界ヘビー級タイトルマッチ=米ラスベガス)初回、いきなり前に出た王者タイソンに対し、挑戦者ホリフィールドも引かずに応戦。ホリフィールドは6回にカウンターの左フックでダウンを奪う。7回にはタイソンが右目上を切って流血。10回終盤に右ストレートでタイソンの意識を奪ったホリフィールドが11回に連打を浴びせ、レフェリーストップで大番狂わせが完成した。

 ▽同第2戦(97年6月28日、WBA世界ヘビー級タイトルマッチ=米ラスベガス)王者ホリフィールドが序盤からペースをつかんだが、2回にホリフィールドの頭突きでタイソンが右まぶたを切ったことを発端にボクシング史上最悪の“事件”が起きた。3回、ホリフィールドがクリンチした際にタイソンが右耳にかみつき、さらにレフェリーストップでコーナーに戻ろうとした王者を後ろから押して2点減点。2分20秒の中断後、再びクリンチされた際に左耳をかみ、終了のゴング後に確認を取ったレフェリーが失格を告げた。

 ◆イベンダー・ホリフィールド 1962年10月19日生まれ、米アラバマ州出身の57歳。84年ロス五輪ライトヘビー級銅メダリスト。同年11月にプロ転向し、86年から88年にかけてWBA、IBF、WBC世界クルーザー級王座を獲得。90年10月には3団体統一ヘビー級王者となった。94年4月の王座陥落後、心臓疾患を理由に引退。95年5月に現役復帰し、96年11月にマイク・タイソンを下してWBA王座獲得。その後、14年6月に引退を表明した。戦績は44勝(29KO)10敗2分け。身長1メートル89、リーチ1メートル98の右ボクサーファイター。

 ◆マイク・タイソン 1966年6月30日生まれ、米ニューヨーク州出身の53歳。13歳で少年院に入り、教官からボクシングの手ほどきを受ける。86年11月、史上最年少20歳4カ月でWBC世界ヘビー級王座獲得。87年3月にWBA、同年8月にIBF王座も奪取して統一王座に。6度防衛後、90年2月に東京ドームでジェームス・ダグラスにプロ初黒星を喫し、王座陥落。その後は92年3月に婦女暴行罪で実刑判決を受けて収監されるなど、さまざまなトラブルを起こし05年6月の試合を最後に引退。戦績は50勝(44KO)6敗。身長1メートル78、リーチ1メートル80の右ファイター。

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