【フジタ“Jr”ハヤト リングへ戻る覚悟(下)】ハヤトエール開催へ「当日は俺のためのお祭り」

[ 2019年11月25日 10:00 ]

フジタ"Jr"ハヤト
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 現在、がん闘病中のプロレスラー・フジタ“Jr”ハヤト(33=みちのくプロレス)がスポニチアネックスのインタビューに応じた。27日に開催される「フジタ“Jr”ハヤト支援大会~ハヤトエール~」について見どころなどを熱く語った。

 ――今回「フジタ“Jr”ハヤト支援大会~ハヤトエール~」の開催が決まりましたが、この大会の開催が決まった時はどんな気持ちでしたか?
 「この話を初めて聞いたのは、今年の春でした。これは俺の考えですけど、こういう支援大会はほぼ戻ってこない人の興行というイメージが物凄くありました。だから会社から今回の大会について提案された時は、正直『この人たちは俺がもう戻ってこないと思っているんだろうな』と最初に思いました。このままハヤトは、引退なのか引退せずにこのままフェードアウトをしていく人間だと判断されたのかなと思いました」

 ――フジタ“Jr”ハヤトはプロレス界から存在価値のない選手と感じたんですね。
 「はい。『俺は戻るって言っているのに…』と思いました。だから周りからは『ハヤトのために募金などをやろうと思うけど、どうかな?』みたいな提案がありましたけど、全部断っていました。確かに凄く大変だし、募金があれば凄く助かることはわかるんですけど『俺はリングに戻るからそういうことは辞めて』と会社の人間にも言っていましたし、親や友達にも言っていました。これは直接社長にも言いましたね」

 ――新崎人生社長にも直接伝えたんですね。
 「そうですね。『もう戻ってこないと思っているかもしれないですけど俺はリングへ戻ります』とその時にも言いましたね。社長も『待っているよ』とは言ってくれたんですけど、『そりゃ待っているって言いますよね』と思いましたよね(笑)」

 ――みちのくプロレスからの提案を断っていた中で、大会を開催しようと思ったきっかけは何だったんですか?
 「良いチャンスだと思ったからです。一緒にファンと楽しめる時は、こういう時しかないですからね。自分の好きな選手を呼んでいいと会社に言われて、マッチメークも自分で決めていいとなったので、自分の気持ちも乗ってきました。ハヤトエールは、支援大会となっているけど、俺の中ではお祭り感があります。俺が楽しみたいから全部決めています。俺が好きなものをみんなに好きになってほしいから会場で流す音楽も自分で決めましたし、試合の順番もその日のノリで決めたいと思っています。俺も楽しみたいし、俺のためのお祭りだって思うようになってから気持ちが乗るようになりました。楽しんだ上で身体も良くなって『よっしゃ!リングに行ってやろう』と思えたら最高だと思っています。病気のことも自分からあまり言ってこなかったからそういう場を与えてもらった方がいろいろと話せるし、『みちのくプロレスには俺もいるよ』と証明できる場所を俺が作ったと思えばいいのかなと思って、最終的にはこの大会を了承しました」

 ――ちなみにハヤト選手が自由に決めていいと言われたのはいつぐらいだったんですか?
 「俺は春の段階では2019年に復帰したいと思っていましたし、俺なら出来ると思っていました。だから会社には『俺復帰しちゃうかもしれないですよ?』とは言っていたんですよね(苦笑)自分でいろいろと決めていいと言われたのは、ゴールデンウイーク前だった気がします。なので、自分が呼びたい選手を会社に伝えて、参加してくれる選手が決まるまでは何も進まなかったですけど、出場選手が決まった時点で『マッチメ―クもハヤトに任せるから』って感じでしたね」

 ――大会中には親友であるレゲエアーティストのJ―REXXXのライブもあるということで、普段の興行とは違う興行にしたいという気持ちはあったんですか?
 「そうですね。J―REXXX君は、普段からライブも見に行きますし、連絡も取ったりして凄く仲も良いです。そして1番近くで『ハヤトの試合をもう1回見たいよ!』と言ってくれる人間ですし、『ハヤトなら大丈夫』と言い続けてくれる人間だから俺もパワーをもらいたいと思いますしね。当日はJ―REXXX君からしたら凄くアウェーだと思いますよ(笑い)だけど、それをホームにする力もあります。あとは、ただ俺が楽しみたいから今大会に呼んだって感じですね(笑い)ファンの人の中でも初めてJ―REXXX君の歌を聞く人もいると思うからそういう人たちが今度J―REXXX君のライブに行ってくれるかもしれないです。そういうのも良いと思います。逆にJ―REXXX君のファンがプロレス会場に来てくれるかもしれないですよね。なので、大会をやると決めた以上は、音楽のファンは格闘技に興味を持ってくれて、格闘技ファンもJ―REXXX君のライブに行きたいと思える環境になれば最高ですし、双方を応援したいと言ってくれる人を全員取り込みたいですね」

 ――今大会はハヤト選手が所属するみちのくプロレスの選手以外にも多くの他団体選手が参戦されますが、出場してくれてうれしかった選手を数人あげるならば誰ですか?
 「やっぱり拳王です。あとはSUGIと竹田(誠志)先輩ですね。でも出場してくれる他団体選手全員にいろんな思いがあります」

 ――1人ずつその理由を伺っていきたいのですが、ハヤト選手にとって拳王選手は特別な存在なんですね。
 「俺の15年間の現役生活の中で絶対に欠かせないのが拳王です。最近、いろんなところで言っていますけど拳王がいなかったら俺はプロレスを既に辞めていたかもしれないです。だから嫌いだけど、とてつもなく感謝していますよ。でも本当は好きなのかもしれませんね(笑い)今思い返せば拳王との試合は、凄く楽しかったです。拳王は、自分からコメントをするキャラじゃなかったのにみちのくプロレスの地方大会に自ら来場して、参戦表明をしてくれたのはうれしかったですね」

 ――現在デスマッチファイターとして活躍する竹田誠志選手は、高校の先輩後輩の関係なんですよね?
 「はい。高校の1つ上の先輩です。でも業界歴は、俺の方が結構先輩という面倒くさい関係なんですよね(笑い)だけど俺は『竹田先輩』とずっと言い続けています。竹田先輩とは、何回一緒にプロレスを見に行ったかわからなくなるぐらいプロレスを見に行きましたね。凄いデスマッチが好きなのも知っていました。竹田先輩は、U-FILE CAMPに入門して総合格闘技でデビューしてからプロレスに転向しています。そういう部分も知っているからまさかこういう形で力を借りるとは思いませんでした。後輩のために自分から力になりたいと言ってくれたのがうれしかったです。あと竹田先輩とは、タッグを組んでみたいと思っていました。だから何か縁を作っておくではないですけど、今度竹田先輩が何かイベントをやる時は力を貸せればと思いますし、俺に出来ることがあればやりたいと思います。高校時代の感謝の意味も込めて本当にうれしかったですね」

 ――SUGI選手は、当時とはリングネームが変わってしまいましたけど初めてみちのくプロレスの至宝である東北ジュニアヘビー級のベルトを奪取した相手でしたね。
 「そうですね。自分がベルトを獲った時は、義経のリングネームで絶対王者でした。凄く感謝している先輩の1人ですし、技も凄いです。今回はハヤトエールという興行ですけど、俺の中ではみちのくプロレスのイベントの1つだと思っています。だからみちのくプロレスのリングに名前は違いますけど帰ってきたという思いがあります。これが俺の興行でなければ実現していないと思いますし、出場してきてくれてうれしかったですね。あとは、今のみちのくプロレスで活躍するマスクマンのラッセと剣舞と組んで欲しかった気持ちがありました。3人が一緒のコーナーにいるところを俺はファンとして見たかったところもあったので、3人が同じコーナーに並ぶ試合を組みました」

 ――この大会を見に来てくれるファンの人にはどんなことを感じてほしいですか?
 「楽しんでもらえることが1番ですね。好きな選手をいつも通り応援して欲しいですし、普段は聞かないであろうレゲエそしてJ―REXXXというジャンルを思いっきり体感して欲しいです。そして大会当日が水曜日なので、1週間の中休みとして普通に何も考えずに楽しんでもらいたいです。本当は俺が皆にパワーをあげないといけないのにパワーをもらってばかりなので、今現在の俺の状況なども体感してもらえればと思います。『ハヤト元気じゃん!』と思ってもらえればそれで十分です」

 ――復帰を待っているファンの人やこのインタビューを読んでくれている人たちに最後にメッセージをもらえますか?
 「俺は皆が思っている以上に元気です。だから必ずリングに戻ります!それがどのタイミングになるかは俺次第なので、それを待っていてください。もう十分待ってくれていると思いますが、俺が復帰したら皆が俺を必要か不必要なのかを判断してくれればいいです。一切ファイトスタイルは、変えずにハヤトはハヤトらしく戻るので、待っていてくれればうれしいです。ハヤトエールの当日となる27日は会場で待っています。ぜひ会場に来てください」(終わり)

 【フジタ“Jr”ハヤト支援大会~ハヤトエール~】今月27日に東京・新宿FACEで「フジタ“Jr”ハヤト支援大会~ハヤトエール~」が開催される。同大会の収益は(経費を除いた)全額、がんと闘うフジタ“Jr”ハヤトの治療費に充てられる。当日の試合マッチメーク、当日会場で流れる音楽などをハヤトが決めて実現する。試合だけではなくレゲエアーティストのJ―REXXXのスペシャルライブも予定されている。

 ◆フジタ“Jr”ハヤト(ふじた“じゅにあ”はやと)1986年(昭61)9月20日生まれ、東京都出身の33歳。2004年12月、中嶋勝彦戦でプロレスラーデビュー。08年12月東北ジュニアヘビー級王座を初戴冠。その後、新日本プロレス、プロレスリングZERO1などにも参戦。17年4月に左膝外側側副靭(じん)帯完全断裂、左膝内側側副靭帯部分断裂で長期欠場。18年11月に脊髄腫瘍髄内腫瘍上衣腫によるがんであることを公表した。

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