引っかき回してほしかった船井 ボクシングの幅ではアンカハスが一枚上
IBF世界スーパーフライ級タイトルマッチ アンカハス―船井 ( 2019年5月4日 米カリフォルニア州ストックトン )
【浜田剛史の目】船井はパンチをしっかりブロックしながら大事に戦おうとしていたが、これは長いストレートを持つアンカハスにとって打ちやすい距離だった。速い踏み込みのアンカハスに対しては、じわじわではなく一気に距離を詰めてリズムを崩すなど、引っかき回すような戦い方で相手の長所を消す方がよかった。船井もベテランとはいえ、世界戦は初めて。ボクシングの幅ではアンカハスが一枚上で、真っ正面から同じように戦っては苦しかった。
アンカハスにも打ち疲れが見えており、後半勝負に持ち込めば面白かったかもしれないが、船井はまともにパンチをもらいすぎてダメージを受けていた。相手が左を空振りしたときもパンチを返すよりガードを意識していたため、逆に右のフックも浴びていた。レフェリーは6回終了後ではなく7回開始後にTKOを宣告したが、1分間休ませた上での選手のダメージをドクターにチェックさせたもので、米国の試合では珍しいことではない。 (元WBC世界スーパーライト級王者)
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