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井上拓真 判定勝ちで世界挑戦権を獲得 兄・尚弥、兄弟で4本のベルト独占へ意欲

[ 2018年9月11日 22:23 ]

指名挑戦権を獲得した井上拓真(中)は兄・尚弥(左)、父・真吾トレ−ナーとポーズ
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 ボクシングのWBC世界バンタム級指名挑戦者決定12回戦は11日、東京・後楽園ホールで行われ、同級10位の井上拓真(22=大橋)が同級3位のマーク・ジョン・ヤップ(29=六島、フィリピン)に3―0で判定勝ちし、世界挑戦権を獲得した。WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(大橋)の弟で元東洋太平洋スーパーフライ級王者の井上拓は12戦全勝(3KO)、東洋太平洋バンタム級王者のヤップは41戦29勝(14KO)12敗。

 試合直後からスピードで井上拓が主導権を握った。右を打ち込んでくるヤップにカウンターの右アッパーを入れ、2回からは左フックも再三ヒット。3回からはヤップが距離感をつかんでボディーを入れ始め、4回終了時の公開採点はジャッジ1人が39―37で井上拓、2人が38―38でイーブンとした。

 「(採点は)ちょっとビックリした」と明かした井上拓は5回、ダブルの左フックでペースをつかむと、巻き込むような左フックでヤップをロープに吹っ飛ばしてダウンを奪った。井上拓は6回にも右アッパーでヤップを後退させたが、ヤップも7回から圧力を強めて追い上げた。井上拓も打ち合いに応じ、ポイントでリードする最終回も打撃戦を展開。最終的に114―113、117―110、116―111のスコアで判定勝ちしたが、大橋ジムの大橋秀行会長は「どんな試合でも最終回を取るのは大事。危険だったけど、今後の大きな試合で生きてくると思う」と評価した。

 井上拓は「自分の中で一番の強敵だった。凄く不安だったが、世界のキップを手に入れられてよかった」と振り返った。現在、WBCバンタム級王座は空位で、10月に同級1位ノルディ・ウーバーリ(フランス)―同級4位ラウシー・ウォーレン(米国)が王座決定戦を行う予定で、新王者は同級2位ペッチ・CPフレッシュマート(タイ)との対戦が義務づけられている。井上拓は、その勝者へ来春の世界初挑戦が濃厚だ。尚弥は10月7日に1回戦を戦うワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)で優勝すれば、IBFとWBO王座を吸収して3団体王座を統一。拓真がWBC王座を獲得すれば兄弟で4本のベルトを独占することになり、尚弥は「兄弟で独占、いいですね。自分も優勝しないと」と乗り気で、大橋会長も「それが一番理想」と話した。

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2018年9月11日のニュース