村田、選手ファーストの組織に 「良い環境でできるかが大事」
ボクシングの12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストでWBA世界同級王者の村田諒太(32=帝拳)が6日、日本ボクシング連盟の疑惑を巡る騒動の早期終結を訴えた。今秋予定の2度目の防衛戦へ向け、走り込みキャンプを終えて都内でジムワークを再開。20年東京五輪を目指す選手が競技に集中できる組織づくりと、日本オリンピック委員会(JOC)などが解決に乗り出すことを期待した。
ミット打ちを終えた村田は怒りを抑えながら「早く収まってほしい。誰が勝った負けたの問題じゃない。現役選手がいかに良い環境でできるかが大事」と“選手ファースト”を呼び掛けた。都道府県連盟幹部ら333人の有志でつくる「日本ボクシングを再興する会」が日本連盟の疑惑を告発し、山根明会長(78)が独自の反論を繰り広げる騒動は競技のイメージを悪化させるばかりで終着点が見えない。「何をやっているんだという気持ち。ボクシングの価値を落としている」と嘆いた。
統括団体である国際ボクシング協会(AIBA)の組織が問題視され、ボクシングは東京五輪の実施競技から除外の危機にある。しかも国内では不正判定の横行が指摘され、競技団体として最低評価を受けたため国体では隔年実施競技に格下げと、強化に支障が出ている。村田は「社会的にも、この体制が選手に悪いことは分かる」と言い切り、「ボクシングは健全なスポーツと示さなくてはいけない。どんな体制になっても、まずは選手が五輪に出場できるような状態をつくってあげないと」と強調した。
村田はJOCやスポーツ庁が積極的に問題解決に動くべきとも訴えた。「明らかに(統括団体が)おかしいのなら、上からダメと言わないと。大火事になってから火を消そうとしても遅い」と話し、「ボクシングだけの問題じゃない。統括団体はどうあればいいのか改めて考えてほしい」とスポーツ界全体へ問題提起した。
自身はフェイスブックで現体制を暗に批判し、山根会長に「生意気」と非難されたが、願うのは正常化のみ。「この問題についてはもう話しません」と硬い表情で唇を結んだ。
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