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高橋竜平 6・20敵地タイでSバンタム級世界ランク獲り挑戦

[ 2018年5月31日 05:30 ]

世界ランク奪取を狙う高橋竜平
Photo By スポニチ

 新潟県加茂市出身のプロボクサーで日本スーパーバンタム級16位の高橋竜平(28=横浜光)が世界ランク獲りに挑む。昨年12月に獲得したIBFパンパシフィック同級王座(日本非公認)の初防衛戦を6月20日、タイ・バンコクで、IBF世界同級14位のマイク・タワッチャイ(32=タイ)相手に行うことが決まった。自慢のスタミナで後半KO勝ちに持ち込むべく、ハンデが待つ敵地へ乗り込む。

 タイでの試合は覚悟が必要だ。厳しい気候に地元判定、会場や試合のタイトルが急に変わることもある。今回も高橋が持つIBFパンパシフィック王座とタワッチャイのIBFアジア王座、2つのスーパーバンタム級地域王座が懸けられる予定だが「行ってみないと分からない」と横浜光ジムの石井一太郎会長。

 ただ、欲しいのはベルトじゃない。「相手は世界ランクを持っている」。高橋の狙いは勝って“世界14位”を奪うことだ。

 日本でもおなじみのタワッチャイは57戦45勝(28KO)11敗1分け。うち10敗が来日しての黒星で昨年3月には亀田和毅に敗れた。

 高橋とは昨年12月にバンコクで対戦予定だったが、タワッチャイがIBF世界挑戦者決定戦に出場することになり、相手が変わった経緯がある。

 自身と同じ興行に出場したタワッチャイを見た高橋いわく、「日本とタイでは強さが全く違う」。亀田和には足を使うアウトボクシングで判定まで粘った一方、今年3月の最新試合では前に出るファイタースタイルでTKO勝ちと何でもできるベテランだ。

 「僕の戦い方次第で展開は変わるはず」と話す高橋だが、腹は決まっている。「アウェーだからKOを狙うしかない。前へ出ようと思う」。ジャッジは全員タイ人が予想され、判定決着は不利。ポイントを取られないように常に先手を心がけ、接近戦ではひたすら手数を出し、ボディー攻めを徹底してスタミナ勝負に持ち込む。「イメージは後半KO。相手を削り倒す」。

 石井会長も「愚直に攻められる方が相手は嫌だと思う。高橋は一発こそないが、その戦い方ができる」と期待を口にした。

 体力勝負に備え、日本フェザー級王者の源大輝やジム先輩の赤穂亮らと週3回、8〜12ラウンドのスパーリング。調整は日本で済ませ、2日前の6月18日にバンコク入りする。「死に物狂いで勝ちにいく。冷静さを保ちながら、熱く」。覚悟は既にできている。

 ≪コシヒカリでパワーアップ≫高橋は計量後の栄養補給のため米や餅、殺菌作用のある梅干し、サプリメント、蜂蜜などを現地へ持ち込むという。「前回(昨年12月)は現地のものも食べたけど、今回はできる限りコンディションに注意したい」。試合前はパワーアップのため米や餅を食べるそうで、「僕はうどんやパスタじゃ力が出ない。やっぱり米、もちろんコシヒカリですよ」と“新潟パワー”を強調した。

 ◆高橋 竜平(たかはし・りょうへい)1990年(平2)2月1日生まれ、加茂市出身の28歳。加茂中―加茂暁星高―東洋大。ボクシング漫画「はじめの一歩」に影響を受け、加茂市勤労者体育センターで開かれていた教室でボクシングを始める。12年12月プロデビュー。14年12月、全日本バンタム級新人王。昨年12月、IBFパンパシフィック・スーパーバンタム級王座獲得。プロ通算18戦14勝(6KO)3敗1分け。身長1メートル64の右ボクサーファイター。

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