山中 困った…試合2日前にグローブ変更要求された
WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者ルイス・ネリ≪12回戦≫同級1位・山中慎介 ( 2018年3月1日 両国国技館 )
WBC世界バンタム級王者ネリとの再戦で雪辱を目指す山中慎介が、試合2日前に使用グローブの変更を迫られた。27日に都内で開かれたダブル世界戦の調印式で、ネリ陣営が山中陣営の用意したメキシコ製グローブを拒否。昨年8月の対戦で使用した日本製を希望し、メキシコ製で練習してきた山中も合わせるように要求した。結論は28日のルールミーティングに持ち越された。
メキシコからの報道陣も駆けつけた調印式が不穏なムードに包まれた。実際に試合で使う“武器”を選ぶグローブチェックで、ネリ陣営は提示された母国メキシコのレイジェス社製を拒否。前回も使った日本のウイニング社製を要求してきた。
使用グローブは王者側に選択権があるとされるが、合意すれば双方が別々のブランドで戦うことも可能だ。今回の興行を主催する帝拳ジムは「メキシコの王者に敬意を払って」(浜田剛史代表)レイジェス社製を用意。従来はウイニングしか使わなかった山中もレイジェスで練習し、ネリも来日後に同社製の使用に同意していた。
だが、この日突然、ネリのギジェルモ・ブリト・プロモーターが「前回と同じ条件で日本で再戦することを了承した」とウイニングの使用を強硬に主張。ネリは昨年11月のノンタイトル戦も王座を奪取した験のいいウイニングで戦い、今回も日本から送ってもらった用具で練習してきたという。急な変更要求でグローブにスポンサー名をつける作業が間に合わない可能性を指摘されると、同プロモーターは「こちらで買ってもいい」と息巻き、「レイジェスは打った時の衝撃が強い。2人ともKOパンチャーだから1回で試合が終わってしまう」と余計な心配までしてみせた。
試合前日までグローブが決まらない事態に浜田代表は「てっきり喜ぶと思ったんですが…」と苦笑い。「ベルトが僕の前になくてネリの前にあるのは凄く嫌な気持ち。また取り返してやるという気持ちが出てきた」と調印式で決意表明した山中も「よくあること」と反応したが、「どうなるのか気になりますよ」と戸惑いは隠せなかった。
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