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山中 完全決着でV11 Wトレーナー制で万全仕上げ

[ 2016年9月8日 05:30 ]

サンドバッグを叩く山中慎介

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 王者・山中慎介≪12回戦≫同級1位アンセルモ・モレノ

(9月16日 エディオンアリーナ大阪)
 日本歴代2位タイの11度目の防衛を目指すWBC世界バンタム級王者・山中慎介(33=帝拳)が7日、都内のジムで練習を公開した。スパーリングでは大和心トレーナー(41=元東洋太平洋スーパーバンタム級王者)と葛西裕一トレーナー(46=同)が2人態勢でセコンドに就く中、“神の左”と呼ばれる左ストレートなど順調な仕上がりを披露。万全の布陣で、昨年9月に2―1の判定で退けた挑戦者アンセルモ・モレノ(31=パナマ)を返り討ちにする。

 山中がジムメートと行った2ラウンドの公開スパーリング。コーナーでは大和チーフトレーナーだけでなく、前WBC世界スーパーフェザー級王者・三浦隆司らを指導する?西トレーナーも出来を見守っていた。?西トレーナーによると、今回は大和トレーナーからの申し入れにより、スパーの際は2人態勢でセコンドに就いているという。

 「大和が指示を出して自分が腕のマッサージなど、実際の試合と同じ役割分担をしています」と葛西トレーナー。2人態勢は田中繊大トレーナーとコンビを組んだ元WBC世界スーパーバンタム級王者・西岡利晃の時以来2度目という。山中は1年前のモレノ戦で2―1判定の辛勝。過去最も苦戦した相手との1年ぶりの再戦へ向け、練習から実戦を想定した態勢で「世界戦では一番多い」(大和トレーナー)という計140ラウンドのスパーを消化してきた。

 スパーでは「休んでしまうと向こうのペースになる」というジャブを積極的に出しながら、左ストレートを上下に打ち込んで好調な仕上がりを披露した山中。「先週からグッと良くなった。足の感覚が軽くなってきていて凄くいい状態」。左足の親指でしっかり蹴ることが調子のバロメーターで、踏み込みも鋭くなり距離も保てると説明。練習中には都内で震度3を観測する地震が発生したが、指摘されるまで気づかず「自分の蹴りで起きたんじゃないの?」と冗談を口にする余裕だった。

 今回は大きなモチベーションがある。かつてWBC世界バンタム級王座を10度防衛した長谷川との2年ぶりの共演だ。「お互いに勝って笑顔で試合後に会えたらと、LINEもかわしている」。ラストチャンスと公言している先輩のためにも、完全決着でモレノに引導を渡す。

 ▼山中―モレノ前回VTR 15年9月22日、東京・大田区総合体育館で対戦。WBA世界バンタム級王座を12度防衛し巧みな防御から「ファンタズマ(幽霊)」の異名を取るモレノに、山中の強打がことごとく空転した。8回終了時の公開採点はジャッジ2人がイーブン、1人がモレノを支持。9回には左カウンターを食ってぐらついたが、10回に左ストレートが顔面を捉えると一気に攻勢。いずれも2点差の2―1判定で山中が9度目の防衛に成功した。

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