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田口 KO初防衛!元世界王者から計5度ダウン奪った

[ 2015年5月7日 05:30 ]

5R、強烈な右を打ち下ろしこの試合2度目のダウンを奪う田口(右

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦  ○王者・田口良一 TKO8回36秒 ●同級14位・クワンタイ・シスモーゼン

(5月6日 大田区総合体育館)
 WBA世界ライトフライ級王者の田口良一(28=ワタナベ)は6日、同級14位のクワンタイ・シスモーゼン(30=タイ)を8回TKOで下し、初防衛に成功した。緩急自在のスタイルで多彩なパンチを浴びせ、元世界王者から5度のダウンを奪って初防衛戦を快勝で飾った。

 沸き上がる場内の期待を背負い、王者が前に出た。5、6、7回と連続してダウンを奪い迎えた8回。「お客さんの“倒せオーラ”を感じていた」という田口はゴング直後から距離を詰め、ボディーで相手の動きを止めると、左右の連打でクワンタイを沈めた。元世界王者を相手にKO防衛を果たし「めちゃくちゃうれしい。判定でもいいかなと思ったけど、内心はKOしたかった」と誇らしげな表情を浮かべた。

 隙を見逃さなかった。大振りのパンチで体勢を崩す相手の打ち終わりを狙い、2回に右ストレートで1度目のダウン。5回のダウンも同じタイミングで右を合わせた。一発逆転を狙う挑戦者を右から左に構えをスイッチする“幻惑殺法”でジャブを当て、前進を止めた。老かいな技を披露し「25戦の経験から来るものもある」と胸を張った。

 試合前、石原トレーナーからA4サイズの紙を渡された。練習した内容、挑戦者の攻略法、精神的な助言まで戦略が記述された必勝マニュアルだ。世界挑戦より「緊張した」が、試合運びは冷静だ。攻略書の「初防衛戦でもいつも通りの自分のボクシングをするように」との言葉を頭に入れ「カウンターに気をつけろ」「ガードを高く」を実行。KO率49%の相手に決定打を与えなかった。

 次戦は元WBA世界ミニマム級王者の宮崎亮(井岡)、同じWBA世界ライトフライ級の暫定王者ランディ・ペタルコリン(フィリピン)ら強豪が挑戦に名乗りを上げている。ベルトを守った王者も受けて立つ構えで「ファンが望むカードをやりたい。宮崎選手とは面白い試合できるかな。クリアしたらもっと強くなれる」とさらなる高みを見据えた。

 ◆田口 良一(たぐち・りょういち) 1986年(昭61)12月1日、東京都大田区生まれの28歳。芝商卒。06年7月、プロデビュー。07年12月、全日本新人王獲得。13年4月、日本ライトフライ級王座獲得。初防衛戦で井上尚弥に判定で敗れて陥落。14年大みそかにWBA世界同級王座獲得。身長1メートル67・5、リーチ1メートル72。右ボクサーファイター。

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