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井上 最強ロマゴン戦「来年末できたら」まずは2階級制覇を

[ 2014年12月30日 05:30 ]

計量パスした井上尚弥

WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチ 王者・オマール・ナルバエス VS 同級8位・井上尚弥

(12月30日 東京体育館)
 30日のトリプル世界戦の前日計量が29日、都内で行われ、WBO世界スーパーフライ級タイトルマッチで世界2階級制覇に挑む井上尚弥はリミットの52・1キロ、王者ナルバエスは51・9キロで一発クリアした。井上は世界王座計27度防衛のレジェンドに勝って、来年末に軽量級最強といわれるローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との対戦を熱望した。また、八重樫48・7キロ、ゲバラ48・4キロ、リナレス61・1キロ、プリエト61・0キロ、村田73・0キロ、ニックロウ73・4キロでクリアした。

 くっきり筋肉が割れて盛り上がった胸部や腹部がスーパーフライ級仕様の肉体に仕上がったことを示していた。ライトフライ級から2階級(3・2キロ)上げて初めての軽量をリミットで一発クリア。前日も納豆ご飯を食べて、絶食なしに約7キロの減量に成功し「最後まで練習ができた。仕上がりはめちゃめちゃいい。自信しかないですね」と言い切った。

 その自信は初めて適正階級で戦えることから来る。計量後の食事で試合には約57キロで臨む予定。日頃の練習時の58~59キロとほぼ変わらないため「ライトフライ級の時は体が動かなかったり、パンチが軽かったりしたけれど、今回は普段の自分の実力が出せる」と本来持つスピード、パワーの発揮が期待できる。

 02年から12年間王座に君臨し続けるナルバエスに今回勝って、プロ8戦目での2階級制覇となれば、ポール・ウェア(英国)の9戦目を抜いて世界最速記録となる。その後はさらに夢が膨らむ。41戦全勝のWBC世界フライ級王者ローマン・ゴンサレスとのビッグマッチだ。かねてゴンサレスはラブコールを送っていたが、井上も「スーパーフライ級で結果を出して、来年の年末に対戦できたらいい」と前向きに返答した。指名試合をこなした後、来年末に1階級上げたゴンサレスと激突するのが理想だ。9月に敗れた八重樫東の敵討ちにもなるだけに、大橋秀行会長も「(ゴンサレスの挑戦を)謹んでお受けします。やるやる詐欺じゃないよ」と乗り気だ。

 まずナルバエスに勝たなければ、話が始まらない。200グラム余裕を持ってきっちりクリアした王者の肉体は「胸板が厚かった。39歳の体ではない」と目を見張るものがあった。相手の調子も良さそうだ。「(怖いのは)キャリアですね。倒したい気持ちを抑えて、大差判定で勝つつもりでいく」。世界戦過去2戦2KO勝利だが、今回は勝負に徹する考えだ。 

 

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