×

リゴンドー“作戦不用”天笠には感謝だけど「100%勝てる」

[ 2014年12月23日 05:30 ]

記者会見でベルトを見せるWBA、WBOスーパーバンタム級統一王者のギジェルモ・リゴンドー

WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ WBA・WBO統一王者・ギジェルモ・リゴンドー VS WBA10位・WBO6位・天笠尚

(12月31日 ボディメーカーコロシアム)
 大みそかに日本のリングに初参戦する無敗の王者ギジェルモ・リゴンドー(34=キューバ)が22日、都内で会見した。挑戦者に名乗りを上げた東洋太平洋フェザー級王者の天笠尚(29=山上)に対し、感謝の意を表したものの、対戦相手としては眼中になし。勝つ確率は「100%」と明言した。

 前日、米国から約20時間かけて来日したばかりのリゴンドーは渋滞に巻き込まれて会見場到着が25分遅れたものの、思いの外ご機嫌だった。自身の守備的なスタイルに批判的な米ボクシング関係者と敵対し、気難しいイメージを持たれているが、この日は終始笑顔。天笠については「彼は一番優れた選手だ。米国では俺と戦おうという選手はいない。わざわざ1階級落として戦ってくれる彼を心から尊敬している」と感謝の言葉を繰り返した。

 抜群のスピードと守備技術を武器に五輪を2連覇し、プロ14戦無敗を誇る男は勝負に関しては自信たっぷりだ。天笠が「99%(その後97%に変更)勝てない」と話していたことを伝え聞くと「ボクサーとしては言ってほしくないね」と苦笑いしながら「私が勝つことは100%分かっている」と断言した。

 身長は1メートル79の天笠に対し1メートル68。サイズのハンデはあるが「(相手が)高ければ高いほどやりやすい。自分のスピードが生きる」と気にするそぶりはなし。事前に天笠を研究した形跡はなく「戦略はない。リングで向かい合ってから相手に合わせる」と眼中にない様子だ。カウンター攻撃に活路を見いだしたい天笠が「攻めてきてほしい」と訴えていることにも「期待通りガンガン攻めていきましょう」と笑い飛ばす余裕ぶりだった。

 表情が曇ったのは米国とキューバの国交交渉について話題が及んだ時だけ。亡命して家族離散となっているため「政治的なことには何も答えられない」とした。壮絶なバックグラウンドを持つ男にまつわる逸話は数知れない。ただ、上顎に並ぶ金歯が「五輪のメダルを溶かして作った」という噂については「それはジョークでしょう」と金歯むき出しの笑顔で否定した。

 ◆ギジェルモ・リゴンドー 1980年9月30日、キューバ生まれの34歳。アマ時代には00年シドニー、04年アテネ両五輪でバンタム級金メダル。07年に亡命未遂事件を起こしキューバ代表から追放される。09年にボートで米国に亡命してプロ転向。12年1月にWBAスーパーバンタム級正規王者となる。13年4月にWBO王者のドネア(フィリピン)との無敗の頂上決戦を制し、統一王者に。1メートル68。サウスポー。

続きを表示

この記事のフォト

2014年12月23日のニュース