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興毅 汚名返上V7!史上初3兄弟王者へ和毅に最高バトン

[ 2013年7月24日 06:00 ]

1回、アポリナリオに左をヒットさせる亀田

WBA世界バンタム級タイトルマッチ12回戦 ○王者・亀田興毅 判定 同級3位ジョン・マーク・アポリナリオ●

(7月23日 東京ビッグサイト)
 WBA世界バンタム級王者の亀田興毅は同級3位のアポリナリオを3―0の判定で下し、日本ジム所属選手歴代5位タイの7連続防衛とした。10回と最終回にダウンを奪取し、終始試合を支配した。8月1日に史上初の3兄弟世界王者を懸けて、世界初挑戦する三男・和毅(22)にいい形でバトンを渡した。

 会心のドヤ顔も、歓喜の雄叫びもなかったが、心の中は少し晴れた。ジャッジ3人が8ポイント以上の差をつけ、興毅は「いいところと悪いところがあったけれど、前回よりは進歩を見せられた」と及第点をつけた。

 身長とリーチでともに3センチ上回る王者は序盤から相手ボディーを攻め、足を使うアポリナリオの動きを止めた。要所でカウンターも相手の顔面をヒットし、終始ポイントでリードした。見せ場は10回。右フックのカウンターが相手のあごをとらえた。11年12月のマシアス戦以来4戦ぶりにダウンを取った。さらに最終回。左フックから、左ストレートをたたみかけて2度目のダウンを奪った。「カウンターのタイミングが合ってきたのは一つの自信になる」と復調のきっかけを得た。

 「進退を懸けるつもりで戦う」。かつてない強い決意を胸にリングに立った。前戦は見せ場をつくれないまま、ヒヤヒヤの判定勝利。試合後、リング上でファンに土下座し、悔し涙を流した。その晩はボクシング人生で初めて一睡もできなかった。「もう辞めた方がいいのかも」と思うほど落ち込んだ。

 初心に帰り、肉体改造にゼロから着手した。「若い頃の貯金を使い果たして借金だらけやった」。朝は葛飾区内のジムから荒川河川敷まで1・5キロを走り、800メートルダッシュ10本などの過酷なメニューで脚力とスタミナを強化。夕方は腹筋500回など体幹を徹底的に鍛えた。筋肉量が1キロ増え、スピードも増した。その成果を発揮し「やっとスタートラインに立った。早く4階級制覇したい」と宣言。スーパーフライ級に落として、ベルトを1つ増やす目標もはっきり口にした。

 来月1日には3兄弟世界王者を懸けて、三男和毅が世界に初挑戦する。「勝って和毅につなげたことがうれしい」。亀田家の夢の実現へ、まずは長男がしっかり仕事を果たした。

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2013年7月24日のニュース