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亀田興毅は判定負けで王座陥落

[ 2010年3月27日 21:58 ]

2回、ポンサクレック(左)のパンチを浴びる亀田興毅

 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級王座統一戦12回戦は27日、東京・有明コロシアムで行われ、正規チャンピオンの亀田興毅(23)=亀田=は暫定王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(32)=タイ=に判定で敗れ、プロ23戦目で初黒星を喫して王座から陥落した。亀田興は昨年11月に内藤大助(35)=宮田=から王座を奪取し、世界ボクシング協会(WBA)ライトフライ級に続く2階級制覇を達成したが、初防衛に失敗した。弟の亀田大毅(21)=亀田=もことし2月にWBAフライ級王者となり、亀田兄弟は国内初の兄弟世界王者となっていた。

 プロ23戦目で亀田興が初黒星を喫し、王座から陥落した。長年追い掛けてきたポンサクレックとの待望の一戦に敗れた。強がることなく敗戦を受け入れ、四方の観客席に頭を下げてリングを降りた。

 亀田興にとって「自分がフライ級で一番強いと証明するため、絶対に倒さなあかん」相手だった。2003年にプロデビューする前から王座に君臨し、07年まで17度の防衛を記録。対戦相手を選んできたと陰口をたたかれることがあった亀田興だが、今回は文句なしの強敵だった。

 23歳の正規チャンピオンはグローブの色を王者の赤でなく、挑戦者の意味を込めて青とした。二人が拳を交えるのは04年2月のスパーリング以来。サウスポー同士の一戦で前に出てくる相手のパンチを受け、序盤から劣勢に。5回に偶然のバッティングで右目上から出血し、その後も狙われた。32歳の暫定王者をねじ伏せたかったが、新時代の扉を開けなかった。

 昨年11月に内藤を破って2階級を制覇。王座統一戦となった初防衛戦でポンサクレックを退け、夢の3階級制覇への足掛かりにするはずだった。真価を問われた一戦での敗北。屈辱からどう再起するのか…。

 ◆ボクシングの暫定王者 チャンピオンが長期間防衛戦を行えない場合、暫定王者が認定される。最近は正規王者の負傷など正当な理由に当てはまらない暫定王座の設置が散見され、王者乱立が問題となっている。WBCフライ級は昨年4月に実質的な指名挑戦者決定戦を行い、ポンサクレックが暫定王者となった。中国進出を狙ったWBCの意向で、当時王者の内藤大助(宮田)の防衛戦が指名試合でなく選択試合になったことが背景にある。

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2010年3月27日のニュース