粟生が新チャンプ!涙の絶叫「ありがとーっ」
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世界ボクシング評議会(WBC)フェザー級タイトルマッチは12日、東京・後楽園ホールで行われ、挑戦者で同級3位の粟生隆寛(帝拳)がチャンピオンのオスカー・ラリオス(メキシコ)を判定で破り、王座奪取に成功。昨年10月、世界初挑戦でラリオスに判定負けした雪辱を果たし、新王座に就いた。リング上での勝利者インタビューでは「お父さん、お母さん、ありがとうございます!」と号泣絶叫で感謝と喜びを表わした。
◆粟生 隆寛(あおう・たかひろ)アマチュアで史上初の高校6冠を獲得し、03年9月プロデビュー。07年3月に14戦目で日本フェザー級王座を獲得した。昨年4月に東洋太平洋同級王者の榎洋之(角海老宝石)と互いのタイトルを懸けて対戦し、引き分け。世界初挑戦となった同年10月のラリオス戦は1―2の判定で敗れた。攻防とも秀でた左ボクサーファイター。戦績は19戦17勝(8KO)1敗1分け。24歳。千葉市出身。
▼ラリオスの話 (粟生に対し)おめでとうございます。今回は粟生のスピードがわたしを上回った。とりあえずは休養だが、個人的には粟生ともう1度やりたい。
▼浜田剛史氏(元世界スーパーライト級王者)の話 粟生は力がついた。今まで積み重ねた成果が出た。接近しても離れても、体に染み付いた動きで対応できていた。
▼花形進氏(元世界フライ級王者)の話 今回はワンサイド、完ぺきだった。粟生は自信を持っていた。だから、打ち合っても打ち勝てた。
▼西岡利晃(WBCスーパーバンタム級王者)の話 粟生は集中して、すごく良かった。絶対に勝つんだという気持ちが伝わってきた。ラリオスも粟生のスピードについてこられなかった。
▼大橋秀行氏(元世界ミニマム級王者)の話 すごいね。いい試合。欲を言えば、KOしてもらいたかった。粟生はもっと伸びる。
▼セレス小林氏(元世界スーパーフライ級王者)の話 粟生はラリオスに何もさせなかった。精神面がすごく成長した。スターになっていってほしい。
【戦評】粟生は出だしから重圧をかけ続け、踏み込みの鋭いワンツーを主体に王者を圧倒した。中盤は接近戦に持ち込まれたが打ち負けず、12回は相手の右に合わせたフックの好打をきっかけにダウンさせた。パンチはスピード、タイミングとも申し分なく、防御も堅かった。ラリオスは接戦だった前回対戦の内容とは程遠く、打つ手がない完敗だった。
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