韓国代表の3番打者・金倒永が歌う「青い珊瑚礁」から思う、軽やかだった2024年の韓国と日本

[ 2024年12月3日 11:00 ]

 ファンフェスタでNewJeansのハニに扮し「青い珊瑚礁」を歌う金倒永(KIAタイガース提供写真)
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 【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】オフシーズンになると各球団でファン感謝イベントが行われる。韓国KBOリーグも同様で、7年ぶり12度目の韓国シリーズ制覇を果たしたKIAタイガースは、地元光州(クァンジュ)の金大中(キム・デジュン)コンベンションセンターで優勝記念のファンフェスタを実施。その模様はインターネット生配信もされた。

 ファンフェスタといえば選手のコスプレや歌の披露が定番。KBOでもかなり前から歌やダンスパフォーマンスがイベントの主流だ。KIAではチームの3番打者で今季3割30本100打点40盗塁を記録。リーグMVPを手にし、韓国代表として参加したプレミア12でも注目された金倒永(キム・ドヨン)もステージに上がった。

 金倒永はショートボブのウィッグに赤いリップ、白地に水色のボーダー柄のロンTに白のロンスカで登場。今年韓国で大きく話題になった「あの曲」を歌うことがすぐにわかった。

 今年6月、韓国の5人組ガールズグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」が東京ドームでファンミーティングを開催。メンバーでベトナム系オーストラリア人のハニが松田聖子の「青い珊瑚礁」を日本語で歌った。金倒永の姿はその時のハニそのものだった。ハニは金倒永の「推し」でもある。

 金倒永はファンフェスタの舞台で、時折歌詞モニターに視線を向けながら青い珊瑚礁を日本語で歌い切った。

 8月の試合前練習時、KTウィズの20代外野手、裴挺デ(ペ・ジョンデ)と金敏赫(キム・ミンヒョク)は2人仲良く「アナタガスキ、アー、ワタシノコイワー」と鼻歌を歌っていた。傍らにいた日本人の筆者へのサービスの意味もあっただろうが、日本語の歌詞でしかも1980年代の曲が韓国の若者に広く浸透していることを再認識した瞬間だった。

 かつて韓国ではテレビで日本語の歌詞を放送することを禁止。CDなどの販売も規制されていた。過去の歴史を背景とした国民感情に配慮したためだ。それが大きく変化したのが1998年、当時の金大中政権による日本大衆文化の段階的な開放だった。金倒永らが生まれる前のことだ。

 どの言語の歌詞であっても咎められることなく誰もが自由に歌える2024年。光州で金倒永が歌う青い珊瑚礁を聴いて、今の時代の軽やかさを強く実感した。

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