湘南乃海 自己最速給金!波に乗る入門11年目の26歳が首位キープ「集中してやれてます」

[ 2024年5月22日 04:55 ]

大相撲夏場所10日目 ( 2024年5月21日    両国国技館 )

<大相撲夏場所10日目>翠富士(手前)を豪快に押し出す湘南乃海(撮影・松永 柊斗)
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 平幕・湘南乃海が翠富士を押し出し、入幕6場所目で自己最速の勝ち越しを決めた。2敗を守り、入門11年目で初めて優勝争いのトップに立っている。2敗は豪ノ山を押し倒した新小結・大の里、平幕・宝富士の3人。1差の3敗で琴桜や大栄翔ら7人が続く。

 1メートル94ある湘南乃海が体を小さく丸めて前へ出た。20センチも低い翠富士を根こそぎ押し上げ、土俵際まで押すと、最後は観客席まで豪快に放り投げた。

 「我慢できました。集中してやれてます」

 肩透かしなど、多彩な技がある相手に休まなかった。その手応えを短い言葉にした。10日目での勝ち越しは、新入幕で10勝して敢闘賞に輝いた昨年名古屋場所の12日目を塗り替える自己最速。中学卒業後、入門11年目にして初めて、終盤戦を前に優勝争いのトップに立っている。

 神奈川県大磯町出身の26歳。野球一家に育ったが、当時から恵まれた体格を生かすべく相撲部屋を見学。高田川親方(元関脇・安芸乃島)から「君がヒーローになれ」と熱い言葉をかけられ、入門した。

 審判長として見守った師匠は「圧力があった。相手が引いたところをついていく瞬発力はある」と評した。ただ、この日は顔も出さなかった普段の引き技の多さが不満。長身で懐が深いため、決まりやすい引き技に頼らないよう、「前へ出て勝てれば上を目指せる」とさらなる精進を課す。

 師匠の思いを知るからだろうか。自己最速の勝ち越しにも「まだ場所が終わってないので」。最後まで表情を崩さなかった。11日目は宝富士との2敗対決。将来の目標を「横綱」とするだけに、簡単に乗り越えそうな勢いはある。

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