【箱根駅伝】“山の妖精”城西大・山本が2年連続区間賞「神にはなれなくても…」 青学大が区間新直後に

[ 2024年1月2日 13:54 ]

<箱根駅伝小田原中継所>5区・山本(右)にたすきをつなぐ城西大4区・山中(撮影・島崎忠彦)
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 第100回東京箱根間往復大学駅伝第1日は2日午前8時、東京・大手町をスタート。往路は神奈川県箱根町までの5区間、107・5キロで行われた。

 上りに特化した選手が担当することが多く、これまで圧倒的な快走を見せた今井正人(順大)、柏原竜二(東洋大)、神野大地(青学大)が「山の神」と呼ばれてきた標高874メートルまで一気に駆け上がる5区(小田原中継所~箱根芦ノ湖、20・8キロ)。

 昨年、5区で1時間10分4秒の区間新記録をマークして区間賞を獲得した城西大の山本唯翔(4年)が1時間9分15秒の快走で区間新をマーク。チームは2012年の第88回大会の5位を上回る過去最高順位の3位に入った。

 「今年も2年連続で区間賞、区間新記録を目標に取り組んできた。チームのみんなが良い順位でつないでくれた。自分も3位でタスキを受けるのは出雲駅伝以来だった。こんな良い位置でもらったからには絶対区間賞とってやるという気持ちだった。一人旅ではあったんですけど、しっかり区間賞、区間新記録を更新できたのは良かった」と語った。

 昨年は監督から「山の妖精」と名付けられて一躍全国区に。「山の妖精っていう名前をつけてもらって、今年1年、反響があったと思うんですが…今日の走りでは今井さんの記録には届かなかった。神にはなれなくても、しっかり記憶に残る走りができのはうれしく思う」と振り返った。

 トップ・青学大と3分35秒差の3位でタスキを受け、11.9キロの小涌園前でその差を35秒縮める快走。青学大の若林宏樹(3年)が区間新となる1時間9分33秒で往路Vフィニッシュを決めた3分後。山本は昨年自身が打ち立てた区間記録よりも23秒速いペースを刻み、1時間9分15秒でフィニッシュする“区間新返し”をマークした。

 ターゲットにしていたのは“神”のタイムだ。ほぼ同じ距離で行われた05年大会、“初代・山の神”の順大・今井正人がマークした1時間9分12秒。YouTubeで今井の動画を繰り返し見て「走り方、腕振りなど凄い参考になった」という。イメージを作り上げて、偉大な記録へ果敢にアタックした。

 前回の箱根。櫛部監督が運営管理車から「山の妖精になろうぜ」と発した言葉が、ネットをにぎわせツイッター(現X)でトレンド入り。「彼は接地時間が長く、伸びやかに足を前に出すことができる」と指揮官。豪雪地帯の新潟県十日町市出身。生まれた頃から坂道は身近にあり、幼少期からクロスカントリースキーで足腰を鍛えた。まさに、山の申し子だった。

 今井、柏原、神野と紡いできた神の系譜に、その名を記した。「妖精もいいけど、最後は4代目・山の神になりたい」。有言実行の爆走。往路3位フィニッシュで、チームの目標「総合3位以内」をしっかりと視界にとらえた。

 ◆山本 唯翔(やまもと・ゆいと)01年(平13)5月16日生まれ、新潟県松代町(現十日町市)出身の22歳。松代中、開志国際を経て20年に城西大へ。箱根駅伝では1年時に21年5区6位(総合16位)。今季は出雲6区3位、全日本8区5位。1万メートル自己ベストは28分25秒21。卒業後はスバル入社予定。1メートル68、51キロ。

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