神谷そらが涙のツアー初優勝「ゴルフが嫌になったこともあった…」プロテストトップ合格の20歳

女子ゴルフツアー　フジサンケイ・レディース最終日 （ 2023年4月23日    静岡県　川奈ホテルGC富士C＝6457ヤード、パー71 ）

＜フジサンケイレディース・最終日＞初優勝で涙を見せる神谷そら（撮影・西尾　大助）
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　1打差単独首位から出たルーキーの神谷そら（20＝フリー）が1イーグル、2バーディー、6ボギーの73で回り、通算4アンダーでツアー初優勝を飾った。

　最終18番で短いウイニングパットを沈めた神谷は、ギャラリーからの大歓声に初々しく何度も頭を下げた。1打差の接戦を制してつかんだ初優勝。インタビューで、この勝利を誰に伝えたいかと問われると言葉が詰まった。

　「近くで支えてくれた親だったり、コーチ、応援してくれた方に伝えたい。プロテストに1回落ちた時、ゴルフが嫌になったこともあった。それでも2回目のプロテストもサポートしてくれた親には感謝しかないです」

　山あり谷ありの最終日だった。1打差単独首位から出て4番パー5でイーグルを奪って差を広げる。しかし中盤はショットに苦しんでボギーが続き、一時はトップから陥落した。それでも終盤に勝負強さを発揮。分岐点となったのは首位に並んで迎えた17番パー3だった。180ヤードの長さでグリーンは砲台、さらにピン位置は手前という難セッティング。第1打をピン奥3メートルにつけ、これを沈めてふたたび単独首位に立った。

　1度目のプロテストは不合格。合格を果たした同学年の選手が初勝利をつかみ、シードを獲得する姿を横目に「悔しい気持ちがあった」が本音だ。ゴルフが嫌にもなった。だけど諦めなかった。2度目の挑戦だった昨年のプロテストで堂々のトップ合格。出場資格を争うQTでも上位に入り、つかんだ今季前半戦の出場権だった。

　1Wの飛距離は今季ここまでツアーランク2位の平均255ヤードを誇る。この飛距離を武器に、難コース川奈を攻略した。偶然にも18日に20歳の誕生日を迎えた5日後、バースデーウィークに飾った初優勝。「信じられない気持ちです。今週勝てたことは凄くうれしいです」。女子ゴルフ界にまた、新たなヒロインが誕生した。

　◇神谷　そら（かみや・そら）2003年（平15）4月18日生まれ、岐阜県土岐市出身の20歳。6歳で父の勧めでゴルフを始め、21年中部女子アマなどで優勝。麗沢瑞浪高を経て22年プロテストに合格。得意クラブは1W。アマ時代に目標としていた選手は宮里藍、テレサ・ルー。昨年のツアー出場最終予選会で7位に入り今季前半戦の出場資格を獲得。血液型AB。1メートル67、60キロ。