成田実生、個人メドレー大橋に勝って世界選手権出場 美しく泳げる16歳パリ五輪へ弾み 

[ 2023年4月5日 04:43 ]

競泳日本選手権第1日 ( 2023年4月4日    東京アクアティクスセンター )

女子200メートル個人メドレー決勝の表彰式で、記念撮影に臨む(左から)2位の大橋、優勝の成田、3位の松本(撮影・河野 光希)
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 世界選手権(7月、福岡)の日本代表選考会として開幕した。女子200メートル個人メドレーは成田実生(みお、16=金町SC)が2分10秒91で制し、初の世界切符を獲得。東京五輪女子個人メドレー2冠の大橋悠依(27=イトマン東進)が2位で代表に滑り込んだ。

 粘った。16歳の成田は第1泳法バタフライは3位。続く得意の背泳ぎで2位に上がり、最後の自由形で大橋を差した。初の世界切符獲得も、自己ベストからは0秒64遅れ。東京五輪2冠の女王を破ったが「勝ったのはうれしいけど、自己ベストに届いていないので“んー”って感じ。最後は気持ちの勝負だと思い、強い気持ちで泳いだ」と振り返った。

 筋力はなく、ベンチプレスは重りをつけないバー(20キロ)すら持ち上げられない。小学4年時から指導する海老沢コーチは、4泳法とも癖がない美しい泳ぎに着目。「急に筋力をつけて重くなったら持ち味が消える」とウエートトレーニングは一切せず、線の細さを生かした抵抗の少ない泳ぎを追求してきた。

 高校に入学後の最近1年間は体調管理に苦しんだ。文武両道を掲げて勉強にも励み、睡眠時間が6時間を切る日々。慢性的な睡眠不足に加えて、片道45分の満員電車での通学もあり、練習前から疲労を抱えている状態が続いた。年明けからは休息の重要性を見つめなおし、計画的な勉強、スマホを触る時間を減らすことなどで8時間以上の睡眠を確保。初の世界舞台へ向け「日本開催なので格好いい姿を見せたい。ベストタイムを目指したい」と視線を上げた。

 ◇成田 実生(なりた・みお)2006年(平18)12月18日生まれ、東京都葛飾区出身の16歳。0歳で水泳を始める。葛飾区立常盤中―淑徳巣鴨高2年在学中。昨年3月の日本代表選考会400メートル個人メドレーで4分36秒71の日本中学新と世界ジュニア新を樹立。得意泳法は背泳ぎ。趣味は絵を描くことと家族でのドライブ。1メートル61、45キロ。

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