【二所ノ関親方 真眼】貴景勝 さらなる高みへ 切り札「左の攻め」磨け

[ 2022年5月12日 05:30 ]

大相撲夏場所4日目 ( 2022年5月11日    東京・両国国技館 )

豊昇龍(左)を攻める貴景勝(撮影・郡司 修)
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 どんなスポーツにもリズムは大事だと痛感しました。土俵下にいても貴景勝の躍動感のある動きが伝わってきました。「トン、トン、トン、トーン!」。大関の独特のリズムです。負けている2番はともに押し込まれていましたが、左を生かすことができれば前にも出られます。強烈な左からの突き落としは十分評価していいと思いますし、良くなってくる「兆し」を感じました。

 前日の高安のように、対戦相手も大関の左を封じるべく策を繰り出して向かってきます。自分もそうでしたが、その上を行く攻めを磨いてこそ大関の地位を守ることができます。自分の切り札を意識した組み立てを徹底してほしいものです。

 豊昇龍は右の攻めにこだわり過ぎたのが敗因です。間垣親方もよく指摘していたように、右の膝が内に入ってしまうことで持ち味を生かせない。足の開きが内に入り過ぎているからバランスが悪く、いなしで簡単に崩されてしまいます。叔父さん(朝青龍)の域に達するには、そこを修正することが先決に思えます。(元横綱・稀勢の里)

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2022年5月12日のニュース