細谷 MGC一番乗り!最後の福岡国際で日本勢最高2位「日の丸が少しずつ見えてきた」

[ 2021年12月6日 05:30 ]

第75回福岡国際マラソン ( 2021年12月5日    福岡市・平和台陸上競技場発着 )

日本人トップの2位でゴールし、倒れ込む細谷恭平(撮影・岡田 丈靖)
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 今回が最後の開催で、24年パリ五輪代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」選考会を兼ねて行われ、日本歴代6位の自己ベストを持つ細谷恭平(26=黒崎播磨)が2時間8分16秒で日本勢最高の2位に入り、MGC一番乗りを決めた。6位の上門大祐(27=大塚製薬)までの4人が条件となるタイム以内で走り、23年秋開催予定のMGC出場権を獲得。元日本記録保持者の設楽悠太(29=ホンダ)は20キロ付近で棄権した。マイケル・ギザエ(27=スズキ)が2時間7分51秒で優勝した。

 最後の福岡国際で力を振り絞った。1キロ2分58秒という未経験のスピードに挑戦し、24年パリ五輪への挑戦権を獲得。ゴール後は倒れて担架で運ばれ、点滴を受けるまで出し切った細谷の表情は充実感に満ちていた。「日本人1番にこだわりを持っていた。そこがクリアできたので良かった」と振り返った。

 高速で進む先頭集団でレースを進めたが、ペースメーカーが外れた30キロ以降は顔がゆがんだ。34キロでギザエのスパートに対応できなかったが、中央学院大3、4年時に箱根で山上り5区を務めるなど、定評のある終盤の粘りで日本勢トップ争いを制し「がむしゃらに前を向いて走るいつものレースをした」と胸を張った。

 日本歴代6位の力があることを証明した。20年の初マラソンは2時間28分47秒という「一番ひどいレース」だった。2回目として出場した今年2月のびわ湖毎日は自己記録を22分以上縮める2時間6分35秒で3位に入賞しトップ選手の仲間入りを果たしていた。

 懐疑的な見方を一蹴する今回の結果で国内での序列が確固たるものになり、日本代表への意識も芽生えてきた。まだ集団の位置取りなどで経験不足も認識しているが、「ひたすら日の丸を意識して取り組んでいきたい。(代表が)少しずつ見えてきたと思う」。世界の名ランナーを育ててきた福岡でパリへの確かな自信をつかんだ。

 ◇細谷 恭平(ほそや・きょうへい)1995年(平7)8月31日生まれ、茨城県出身の26歳。茨城・水城高から本格的に陸上を始め、中央学院大に進学。今季は5000メートル、1万メートル、ハーフ、マラソン全ての種目で自己ベストを更新。入社4年目でチームの主将を務める。1メートル71、51キロ。

 ▽MGC マラソングランドチャンピオンシップの略。一発勝負の色合いが濃かった東京五輪マラソン代表選考方法を踏襲する形で24年パリ五輪の男女の選考会を23年秋に開催する。開催日、場所は未定。MGCに出場するためには国内外の対象レースで順位や記録、もしくはその両方で条件を満たす必要がある。男子は2時間9分以内が一つの目安になる。

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