谷原“執念”逃げ切り 5年ぶり2度目の日本タイトル「最高のクリスマスと正月が来た感じ」

[ 2021年12月6日 05:30 ]

男子ゴルフツアー 日本シリーズJTカップ最終日 ( 2021年12月5日    東京都稲城市 東京よみうりCC=7023ヤード、パー70 )

優勝した谷原(右)はキャディーと笑顔を見せる(撮影・沢田 明徳)
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 首位で出た谷原秀人(43=国際スポーツ振興協会)が69で回り、通算12アンダーで11月の三井住友VISA太平洋マスターズ以来の今季2勝目、通算16勝目を挙げた。チャン・キム(31=米国)が74の通算2オーバー、22位でフィニッシュし、87年のデビッド・イシイ以来となる米国人賞金王となった。金谷拓実(23=Yogibo)が66の通算9アンダーと追い上げ3位に入り、来年のマスターズ出場権獲得へ前進した。

 同じ轍(てつ)は踏まない。グリーンの傾斜が強い難関の最終18番パー3。昨年、ここで3パットのボギーを叩いて1打差で優勝のチャンスを逃した谷原は、あえてグリーンに届かないクラブを持った。手前にショートさせ、そこから20センチに寄せる計算通りのプレーでパーをセーブし、16年日本プロ以来となる日本タイトル2冠目を手にした。

 「42歳で勝って、43歳でも勝てて最高のクリスマスと正月が来た感じ。まだまだ若い選手に立ち向かえる」。首位でスタートしながら1番で3パットし、一時は池村に2打差をつけられた。それでも「どこかでチャンスは来る」と13番で8メートルのバーディーパットを決めて息を吹き返すと、16番では1メートル以上スライスする8メートルのチャンスをねじ込み再逆転。「後半はパットのラインが読めた」と笑顔で振り返った。

 勝てない時期には、自宅に戻ると長男・悠人くん(10)からいつも「どうしてダメだったの?」と聞かれたと苦笑いする。「(前回の優勝は)本当に喜んでくれた。勉強にしろスポーツにしろ、努力しないと100点は取れない。努力すればこうやって優勝できる。そういうことを子供に伝えられるのはうれしいですね」

 この優勝で3年シードを獲得したが、来季は欧州ツアーへの再挑戦も視野に入れる。来年4月には日本と欧州の共催試合が国内で開催されることもあり「そこはチャンス。また優勝して欧州に行きたい気持ちはあります」。43歳になってもその向上心は衰えを知らない。

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2021年12月6日のニュース