川淵氏 84歳の“剛腕”、前例や実績とらわれず強力リーダーシップ

[ 2021年2月12日 05:30 ]

東京五輪・パラリンピック組織委員会 森喜朗会長辞任 後任に川淵三郎氏決定的

自宅前で報道陣の質問に答える川淵三郎氏(撮影・河野 光希)
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 川淵氏は強力なリーダーシップでさまざまな改革を断行してきた。軋轢(あつれき)を生むこともあったが「前例」「実績」にとらわれることなく「理念」「夢」の実現に向けて全力で取り組む姿勢はぶれることがなかった。

 サッカーのJリーグでは「地域密着」の「理念」を掲げていることから、チーム名から企業名を外すことにこだわった。しかし赤字を補填(ほてん)してくれる親会社の名前を外すことに難色を示すクラブが続出。東京への移転問題でも対立したV川崎(現J2東京V)の親会社読売新聞の渡辺恒雄社長(当時)からは「独裁者」と批判された。それでも「理念」を捨てることはなかった。

 バスケットボールでは2つあった男子リーグの統合に奔走した。2つのリーグ併存が国際バスケットボール連盟の定款違反となり、日本代表が五輪予選に出場できない状態になっていたためだ。当初は「サッカー界の人間に何ができるのか」などと異端視されたが、選手たちの「夢」を実現させたいという思いで難局を乗り切った。

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2021年2月12日のニュース