朝乃山、いきなりコケた 両横綱休場…期待の2大関は明暗

[ 2020年9月14日 05:30 ]

大相撲秋場所初日 ( 2020年9月13日    両国国技館 )

遠藤(上)にすくい投げで敗れた朝乃山(撮影・郡司 修)
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 白鵬と鶴竜の両横綱休場により、出場力士では最上位の東大関・朝乃山は結びで小結・遠藤のすくい投げに屈して黒星スタート。混戦が予想される場所はいきなり波乱含みの展開だ。もう一人の大関、貴景勝は7月場所優勝の東前頭筆頭・照ノ富士を圧倒し白星発進した。大関獲りの足場固めを狙う3関脇では正代、御嶽海が白星を挙げた。

 背中にべったりと砂をつけ、花道を引き揚げる姿に悔しさがにじむ。出場力士では最上位の東大関、朝乃山が結びで敗れた。
 「立ち合いから(の流れ)は良かったけど、途中で相手が引いて攻め急いだ。相手の形をつくられた」

 遠藤には過去4勝6敗と合口が良くない。好機を逃すまいと勝負に出て墓穴を掘った。相手の引きに乗じて攻め込み、左上手をつかむと振り回したが、これで相手を呼び込んだ。最後は強引に左上手投げを打つも、右すくい投げでひっくり返された。八角理事長(元横綱・北勝海)は「あそこは我慢するところ。先場所(7月場所13日目の照ノ富士戦)もそう。左上手で強引に引っ張り込みすぎ」と同じ失敗を繰り返したことを指摘した。

 今場所は83年夏場所以来、37年ぶりに複数の横綱全員が初日から休場。以前から「大相撲は番付の世界」と話し地位に伴う責任を強く意識している。「(緊張感は)先場所と変わらなかった」と言うものの、初日から出番が結びで余計に重圧を感じても不思議ではない。しかも秋場所、11月場所と連続優勝すれば、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)が12月に65歳の定年を迎える前に横綱昇進を実現できる。「そう思って自分に厳しくいこうと。少しでも期待に応えていきたい」。場所前から意気込みが空回りした面もある。

 痛い黒星発進だが、場所は始まったばかりだ。「切り替えて自分の相撲を取りきれるよう頑張ります」。帰り支度を済ませ、リモート取材に応じる声には、既に落胆の気配はなかった。

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2020年9月14日のニュース