玉ノ井部屋、新型コロナ19人集団感染 陰性の玉ノ井親方とともに力士28人が秋場所全休

[ 2020年9月11日 05:30 ]

玉ノ井部屋(撮影・河野 光希)
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 日本相撲協会は10日、玉ノ井部屋の十両・富士東ら力士18人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。同部屋では5日に力士1人の感染が確認されており、同部屋の感染者は合計19人となった。審判委員を務める師匠の玉ノ井親方(元大関・栃東)は陰性だが、感染拡大防止の観点から弟子28人とともに秋場所(13日初日、両国国技館)を全休する。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)によると、秋場所は予定通り実施する。

 相撲協会によると、5日に玉ノ井部屋で最初の感染者が確認されたことに伴い、所属員32人がPCR検査を受け、新たに力士18人の感染が判明した。芝田山広報部長は「集団連鎖感染」という表現で同部屋の状況を説明した。

 感染者に重症者はいないが、19人のうち12人が入院中。特に症状がない7人は部屋内で隔離後、入院治療する予定だ。一方、呼び出しや床山は同部屋には行っておらず、芝田山部長は「陰性なら(仕事をするのは)問題ない」との見解を示した。

 相撲協会は2場所連続で出稽古を禁止にするなど、感染予防を徹底してきた中で起きたクラスター。秋場所の開催は目前に迫っているが、同部長は「1つの部屋の中で封鎖しているので、9月場所開催に関しては全く問題ありません。感染対策をしっかりやっている」と予定通り実施する方針を示した。

 玉ノ井部屋には十両7枚目の東龍と同14枚目の富士東ら28人の力士がいる。秋場所を全休するため番付が心配されるが、芝田山部長は「番付、成績に関しては審判部が場所後の会議で決める。何らかの形で(救済措置は)取らなきゃいけない」と救済される可能性を示唆した。

 【大相撲と新型コロナ】
 ▼5月4日 夏場所の中止を発表。
 ▼同13日 高田川部屋の勝武士さんが新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全のため28歳で死去。
 ▼同18日 希望する日本相撲協会員を対象にウイルスの感染歴を調べる抗体検査を開始
 ▼7月6日 検査の結果、5人から抗体が見つかる。
 ▼同19日 7月場所が初日を迎える。
 ▼8月2日 感染者を出さずに7月場所を終える。
 ▼同7日 二所ノ関部屋付きの松ケ根親方(元幕内・玉力道)が新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認されたと発表。
 ▼同14日 幕下以下の力士1人に感染者が確認されたと発表。
 ▼同30日 感染防止に関する講習会を開き、親方、力士らの協会員に一部の部屋のおかみさん、マネジャーを含む約950人が参加。
 ▼9月5日 幕下以下の力士1人が体調を崩したため抗原検査を受け、同日夜に陽性と判明。6日から入院。
 ▼同10日 5日に陽性が判明した力士と同じ玉ノ井部屋の力士18人が感染したと発表。

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