データで見る八村の第42戦 増大する存在感とつけこまれる死角
ウィザーズは今季リーグ2位の30・5得点をマークしていたガードのブラドリー・ビール(27)と、3点シュートで42・4%の成功率(リーグ7位)を記録していたフォワードでシューターのダビス・バターンズ(27)が故障と故障リスクの回避を理由に“オーランド・バブル”には参加していない。しかも本来の大黒柱であるガードのジョン・ウォール(29)はアキレス腱断裂からのリハビリで今季は全休。すると今季チーム3位の13・4得点を挙げ、新人ではリーグ・トップの6・0リバウンドをマークしていた八村塁(22)がチームの“核”となるのは至極、当然の流れだ。
中断前まで八村は出場した41試合で1試合平均11・1本のフィールドゴール(FG)を放ち、5・3本を決めていた。チーム全体の比率で言えばFG試投が12・2%で、FG成功が12・6%。ビールとバターンズがいたために土壇場で自らシュートを放つという機会は少なく、1試合における「オフェンス担当」はチームのおよそ9分の1にすぎなかった。
しかしサンズ戦では30分の出場で15本のシュートを放ち8本を成功。FG試投数はチーム全体の16・5%、FG成功数はチーム全体の19・0%にそれぞれ増えた。第1Qの3分すぎに2反則目を犯し、このファウルトラブルでプレータイムが若干減ったとは言え、“存在感”の大きさはきちんとデータににじみ出ている。
ただしターンオーバーは2月23日のブルズ戦で記録していた4回を上回る自己ワースト。とくに痛かったのは46―46で迎えた第2Qの4分58秒にコートに戻った直後、自陣ベースラインからのスローインでターゲットとなる味方を見つけられず、不用意にコーナー付近に投げたボールをキャメロン・ペイン(25)に奪われ、直後にミケル・ブリッジズ(23)に3点シュートを決められてしまった場面だろう。
ベンチに戻ったとき、八村はチームメートのジェローム・ロビンソン(23)に怒られていたように見えたが、パスもしくはスローインのターゲットが相手の好ディフェンスですべてふさがってしまった場合、5秒バイオレーションを回避したいなら(敢えて受け入れるのも選択肢だが…)、チームメート同士のミス・コミュニケーションを誘発させないために「スペース」ではなく、浮き球などで「人」に投げて競り合いにさせるのが鉄則。ロビンソンに何を言われたのかはわからないが、少なくともリングに近いスペースにボールを投げるのは危機管理という点で反省材料だろう。
この1分後にはバックコートからフロントコート左サイドにドリブルでボールを運んだものの、ボールを保持しているのが進行方向では後ろとなる右手。すかさず追いかけてきたペインがこのボールをスティールしている。保持するなら相手との距離を保てる左手だったはずだ。さらに左のローポストに立った際、ボールを持った右手を広げて相手から距離を保ったまではよかったが、マッチアップしていたサンズの新人キャメロン・ジョンソン(24)は背後から回り込むようにしてボールをはたいてしまった。
元セルティクスのスーパースターで殿堂入りを果たしているラリー・バード氏は1970年代後半、インディアナ州立大時代でも大活躍。まともに立ち向かっては歯が立たないことがわかっていたので、対戦したいくつかのチームはバードのブラインド・サイドから“刺客”を送り込んでボールを奪おうとしていた。
サンズは決してディフェンシブなチームではない。しかし相手チームを混乱させるには“核”になっている選手を視野に入っていない部分から襲えば効果的であることは熟知していたように見える。裏を返せばウィザーズの“ラリー・バード”は今、八村なのである。その自覚を持つことが、今後の試合に必要になってくるだろう。(高柳 昌弥)
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