力士もファンもいない土俵祭り 感染「出ないことを祈りました」 協会幹部、行司らだけで実施

[ 2020年3月8日 05:30 ]

力士が出席せず行われた大相撲春場所の土俵祭り
Photo By 共同

 15日間の安全を祈願する土俵祭りが7日、会場のエディオンアリーナ大阪で行われた。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、力士は不参加、一般ファンには開放しなかった。協会幹部や審判部、行司、呼び出しで実施するのは10年夏場所以来。高島大阪場所担当部長(元関脇・高望山)は「力士には熱戦を期待しています。一人も(感染者が)出ないことを祈りました。無事に千秋楽を迎えたい」と神妙な表情で話した。

 初日に備えてマスク3000枚や消毒スプレー350本など感染予防グッズを用意し、各所に配置した。

 無観客で歓声が起こらない本場所となるだけに力士から「稽古場みたいになるかも」と戸惑う声も出ている。協会は監察や立会人を担当する親方衆に加え、普段は理事室などで観戦する理事も観客席から土俵に目を光らせる態勢を整えた。芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「緊張感が出るでしょう」と通常開催と変わらない引き締まった内容を期待していた。

 【大相撲 異例アラカルト】

 ☆無観客 戦時中の1945年6月の夏場所が一般非公開で傷痍(しょうい)軍人らが招待された例があるが、無観客は史上初。協会員に新型コロナウイルスの感染者が出た場合は中止となる。

 ☆検温 各部屋で朝と夜に2度実施し、朝に37.5度以上だった場合は鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)へ報告。2日続けて発熱があった力士は休場となる。

 ☆力水 濃厚接触が予想されるため、口を付けずに形だけにする。

 ☆移動 力士らの会場への移動は公共交通機関を使用せず、自家用車やタクシーを利用。タクシー代は協会が負担する。これまでの入場口だった正面入り口は封鎖され、のぼりも掲げられない。一度会場を出ると再入場できない。

 ☆優勝力士 表彰式は賜杯、優勝旗、総理大臣杯の授与のみ。その他の表彰は日本相撲協会が辞退。優勝パレードも実施しない。

 ☆懸賞 通常通り、幕内の取組に懸けられるが、宣伝効果が小さいため、例年より減少。

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