宇野、笑顔戻った4連覇 GPシリーズ8位号泣からV字回復「スケート諦めなくて良かった」

[ 2019年12月23日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2019年12月22日    東京・国立代々木競技場 )

男子フリー、演技をする宇野(撮影・小海途 良幹)
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 4分のフリーに全力を尽くし、演技後の取材を受けている最中に戴冠が決まった。宇野がSP2位から逆転し、シニアの個人戦9試合目で初めて羽生を上回って4連覇を達成。「羽生選手にいつか、一度でいいから勝ってみたいという目標があった」と胸を張った。

 完璧な演技ではなかった。4回転フリップ、4回転トーループの着氷はこらえたが、3回転ループで大きくバランスを崩し、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)からの3連続ジャンプでもミス。「全部、危なかった」としながらも、「最後まで伸び伸びと滑ることができた」と充実感をにじませた。

 今季開幕前、5歳から指導を受けてきた山田満知子、樋口美穂子両コーチの元を離れた。メインコーチ不在の影響は大きく、11月のフランス杯でミスを連発し、シニアデビュー後、GPシリーズで初めて表彰台を逃す8位。1人で座ったキス&クライで号泣した。

 その後、スイスに渡り元世界王者ランビエル氏の指導を受けたことで光が差した。ジャンプで復調の兆しを見せ、ロシア杯は4位。手応えをつかみ、今大会へ調整を進めた。年明けから正式に師事するランビエル氏も同行し、大会期間中、宇野はいつも明るい表情を浮かべていた。「スケートを諦めなくて良かった。楽しく試合ができた」。言葉に実感がこもった。

 今季序盤の地獄を抜けて、国内最高峰の舞台で復活。世界選手権の代表にも決まった。昨季は金メダルを目標に掲げて臨みながら、4位と表彰台にも届かず。「今回と同じような気持ちで臨みたい」。今季のテーマ「楽しむ!」を、22歳の日本王者が大舞台でも実行する。

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2019年12月23日のニュース