鈴木、東京五輪は50キロ?20キロ?異例“ファン投票計画”も 競歩日本人初金の悩み…

[ 2019年10月1日 05:30 ]

陸上世界選手権 第2日 ( 2019年9月28日    ドーハ・ハリーファ国際競技場 )

表彰式でプレゼンターのセルゲイ・ブブカ氏(右)とポーズを決める鈴木(撮影・小海途 良幹)
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 男子50キロ競歩で日本人初となる金メダルを獲得して東京五輪代表に内定した鈴木雄介(31=富士通)がメダルセレモニーに出席し、20キロでも五輪代表を目指すと宣言した。2種目で内定を得た場合は出場種目をアンケートで決めるという異例の“ファン投票計画”を明かした。女子20キロ競歩は岡田久美子(27=ビックカメラ)が6位、藤井菜々子(20=エディオン)も7位に入った。岡田は09年ベルリン大会で6位に入った渕瀬真寿美以来、日本人過去最高順位タイ。日本勢2人同時入賞は初めてとなった。

 熱帯夜の激闘から半日後。ハリファ国際競技場でメダルセレモニーに臨んだ鈴木は「上から見た景色は得も言われぬ感動があった。新国立でメダルをもらうイメージも湧いた」と約10カ月後の戦いへ己を奮い立たせた。

 世界記録を持っている20キロとの2種目で代表内定を目指す鈴木にとって、悩みの種は本番でどちらに出るかだ。真夏の東京五輪では体力面を考慮して、出場はどちらか1種目に限定するといい、2種目で内定した場合に「SNSでアンケートを取ることも考えている。ファンが出てほしい方に出てもいいかな」と故障期間中に支えてくれたファンの声に耳を傾けるつもりだ。

 50キロは代表に内定済みだが「(高温多湿での)50キロは完歩できるかという恐怖感が強い。今は20キロに偏っていますね」と現在の心境を明かした。暑熱環境でのレースのダメージが相当残っており「暑い中の50キロは正直歩きたくないと思うくらい過酷なレースだった」と振り返る。

 すでに標準記録を突破している20キロ競歩では来年2月の日本選手権(神戸)で優勝すれば代表に内定する。今村文男五輪強化コーチも「20キロ、50キロは補完関係で強化している。チャレンジすることはOK」と理解を示す。

 去年5月に故障から復帰後、本職といえる20キロでは優勝経験がない。当然、簡単な道のりではないが「どちらでも金メダルを獲る自信はある。でも、勝ちやすいのは50キロかもしれない」。日本競歩界のエースの頭の中は“ぜいたくな悩み”でいっぱいだ。

 ▽競歩五輪への道 男子20キロ、50キロともに、ドーハ世界選手権でメダルを獲得した日本人最上位者が内定。20キロは日本選手権(神戸)、全日本競歩(能美)、50キロは全日本競歩(高畠)、日本選手権(輪島)の選考会で日本人最上位者が内定する。いずれも20年5月までに参加標準記録を突破していることが条件になる。

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2019年10月1日のニュース